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[オピニオン]カーリー・フィオリーナ・シンドローム

[オピニオン]カーリー・フィオリーナ・シンドローム

Posted September. 23, 2015 07:03,   

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ちょうど1週間前、米共和党の大統領予備選挙第2回討論で、11人の候補の中で最も目立ったのは、米ヒューレット・パッカード(HP)の最高経営責任者(CEO)だったカーリー・フィオリーナ氏だった。世論調査機関モーニングコンサルタントで、29%がフィオリーナ氏を勝者に選び、これまで旋風を巻き起こしたドナルド・トランプ氏は2位(24%)となった。1ヵ月前の第1回討論では目立つところのなかったフィオリーナ氏は、共和党の強力な大統領候補に浮上した。

◆フィオリーナ氏に幸運をもたらしたのは、皮肉にもトランプ氏だった。「あの顔を見ろ。誰があの顔に票を入れるだろうか」。暴言の「大家」だとしても、女性の容貌をけなすことへの逆風は激しかった。フィオリーナ氏は、「61才まで生きてきた歳月と顔のシワが誇らしい」と述べ、コンプレックスに悩む女性の心をつかんだ。男性中心の情報技術(IT)業界に従事した時代、男性たちが自分を困らせようとミーティングの場所をストリップクラブにした時もひるまなかったフィオリーナ氏らしい対応だった。

◆スタンフォード大学出身で、ロースクールを中退した後、秘書として出発し、フォーチュン誌が選ぶ20大企業の初の女性CEOになった人物だ。AT&T、ルーセント・テクノロジーを経て5年6ヵ月の間、HPを率いた。2001年のコンパックとの合併は、フィオリーナ氏が行った最大の事件だ。図体は大きくなったものの株価が下がり、結局、フィオリーナ氏は追放された。それでも自伝『私はこうして受付からCEOになった』で、「恐れながら生涯を生きてきたので、怖くなかった。正しいと思った通りに行動した」とこの決定を振り返った。

◆CEOとしての能力については賛否が交錯するが、政治家としてのフィオリーナ氏は検証されていない。公約も曖昧だ。その代わり、2009年に麻薬とアルコール中毒で死亡した娘のローリ・アンを取り上げて感性に訴える戦略を使っている。夫と前妻の間の子供だが、フィオリーナ氏には実の娘に相違ない。強いCEOのイメージを子供を失った母親という家族史で中和させる戦略が受け入れられるか、人気がどれだけ続くか、定かでない。それでも米大統領選が「クリントン対フィオリーナ」の女性対決構図になるなら、最高の興行になるだろう。

鄭星姫(チョン・ソンヒ)論説委員 shchung@donga.com



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