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[オピニオン]働くママと専業ママとの対決

[オピニオン]働くママと専業ママとの対決

Posted September. 21, 2015 07:03,   

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働くママの子供だけが保育所を終日利用できるように定めた適合型保育政策が、予期せぬ波紋を呼んでいる。政府の政策変化にはやむなき事情がある。最大の問題は財源不足だ。予算が十分なら、終日クラス(12時間)と適合型クラス(6〜8時間)とをあえて区分する必要などないが、すでに多くの地域で財源が底をついている。保育所では、子供を早めに連れ戻していく専業ママを好み、働くママが疎外されているので、結局、女性就業を勧める傾向とかみ合っていないことも、もう一つの理由となっている。

◆専業ママたちが愛用する複数のブログは、政府への糾弾で埋め尽くされている。専業ママは子育てにつぎ込める時間が十分なのに、保育所に終日、子供を預ける必要があるか、という認識は間違っているという主張だ。本人が病気をしたり、自宅に面倒を見なけばならない高齢者がいる場合もあるのに、専業ママ全体を国家予算をむしばむ破廉恥な集団に決めつけているという。左派陣営の韓国女性団体連合も、「今回の措置は、子育ての主体を女性の役割ときめつけている証拠だ」と肩を持っている。

◆野党も国政監査を通じて、この論争に飛び込んでいる。2016年度の保育予算は10兆5000億ウォンで、昨年より1700億ウォンが減少した。無償保育は朴槿恵(バク・グンヘ)大統領の大統領選挙公約だが、共働きの女性だけに終日クラスの恩恵を与えるのは約束破棄であり、福祉後退だと、猛烈に攻撃している。詳しく見れば、削減された1700億ウォンのうち、1300億ウォンは少子化による自然減少であり、実際の削減額は400億ウォンだ。専業ママの終日クラス利用を制限しても、削減される費用がこれしかないのは、福祉構造調整の厳しさを端的に示している。

◆鳥かごの中の鳥は、青空を飛ぶ鳥が羨ましくて、鳥かごから出ていこうとし、鳥かごの外の鳥は、エサの心配のいらない鳥かごの中に入りたがっている。働くママも、専業ママも、鳥かごの中の鳥、鳥かごの外の鳥ではないか。専業ママと働くママは固定不変の集団でもないのに、敵味方を分けるのは正しいことではない。働くママはいつでも専業ママになりうるし、専業ママも、家族の中に働く女性がいるはずだ。働くママ、専業ママの対決フレームを無くしてこそ、保育に向かって進む道が見えるだろう。

鄭星姫(チョン・ソンヒ)論説委員 shchung@donga.com