Go to contents

[オピニオン]金武星氏をめぐる権力暗闘説

[オピニオン]金武星氏をめぐる権力暗闘説

Posted September. 12, 2015 07:20,   

한국어

朴槿恵(パク・クンヘ)大統領は参謀の「福」がまったくない。仁川(インチョン)で開かれた「2015地域希望博覧会」の時は、朴大統領は仁川地域の与野党議員12人を招待したのに、2日前の大邱(テグ)での行事では、地域議員を呼ばないように言ったとは信じられない。ある不出来な参謀が、大統領の気持ちと思ってそう調整したのかも知れない。いかんせん大統領は「度量の小さな政治」をすると批判を受けた。

当初、朴大統領の大邱訪問は先月21日に決まり、北朝鮮の地雷挑発のために延期になった。その時、大邱市は12人の与党議員に、市の業務報告なので大統領の行事に参加しないよう案内を出した。前日にも議員たちに来ないほうがいいという趣旨で再び通知した。権泳臻(クォン・ヨンジン)市長が、「私が責任を持つ」と言って何人かに了解を求めたことから、大邱市が処理したという大統領府の説明はおかしい。

朴大統領が「裏切りの政治を審判しなければならない」として、劉承ミン(ユ・スンミン)前院内代表に行った「6・25爆撃」の余震だ。ある議員がひとこと言った。「大統領は飛行機で、行事当日の午前に大邱空港に到着した。ちょうど空港が劉承ミン氏の選挙区にあるので、私が劉氏なら空港に行っただろう。選挙区に来た大統領を出迎えるという大義名分もある。冷遇すれば『劉承ミンを助けよう』という世論に油を注いだだろう」

先月26日、朴大統領と与党セヌリ党議員全員が参加した大統領府での昼食会も、しない方がよかったと言われている。南北間の劇的な「8・25合意」に鼓舞した大統領府側は、2日間の研修中の議員に突然、昼食会の出席を通知し、不満を買った。当時、朴大統領は交渉の3日間、眠ることができず、目が充血していた。

朴大統領の体調を考慮して、議員たちとの握手は省略された。参謀の提案を受けた朴大統領は、2度も「それでもいいのか」と言った。参謀としては、大統領の健康が優先だったのだろう。結果はやはり「劉承ミンのためか」という話が出た。地雷挑発で足首切断の重傷を負った2人の兵士をすぐに見舞わなかったのも、参謀の誤った判断のせいかも知れないが、責任は結局は大統領に帰せられる。

5共時代、金容甲(キム・ヨンガプ)大統領府民情首席秘書官は、「全斗煥(チョン・ドゥファン)大統領は今日…」で始まる「テンジョン・ニュース」をなくした。「国民がうんざりして5分後にテレビをつける」と直言したからだ。金氏は、第5共和国の政権末、息詰まる政治現場の声を加減なく伝えるという所信を発揮した。全斗煥大統領は、金氏を非難する参謀に「それがあの人の仕事だ」と肩を持った。金氏が、白潭寺(ペクタムサ)幽閉から解放された全氏に挨拶に行くと、大変感謝したという。

不幸にも朴大統領には金容甲氏のような参謀がいない。しかし、金氏の所信ある直言も大統領の包容力がなかったなら1、2回で終わっただろう。良いリーダーと悪いリーダーを分ける重要な基準は、自分と考えが異なる参謀を置くかどうかだ。

地域議員を排除した大邱行事のハプニングを与党内の総選挙の力比べの前哨戦と見る人が多い。大統領と異なる意見を出す「直言参謀」がいてこそ、与野党対決に与野党葛藤まで重なり、迷路のように複雑な総選挙政局で道に迷わないで済むだろう。