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[オピニオン]マエストロ鄭明勳氏の辞任

[オピニオン]マエストロ鄭明勳氏の辞任

Posted August. 29, 2015 08:46,   

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鄭明勳(チョン・ミョンフン)ソウル市交響楽団芸術監督は昨日、とあるインタビューで、「監督職を手放す」と明らかにした。今年末で期限切れとなる監督職の再契約の拒否を宣言したのだ。彼はすでに、決まっている指揮スケジュールは引き続き引き受けるものの、「指揮料を1ウォンも使わず、人道的事業に寄付する」と明らかにした。昨年末、朴鍱貞(パク・ヒョンジョン)前ソウル市響代表の暴言やセクハラ疑惑が浮き彫りになる過程で、自分については過度な年収や航空料虚偽請求議論が持ち上がったことと関連し、気を悪くしたことが覗われる。

◆ソウル市響を巡る事態は、朴前代表と事務局職員たちとの間の対立から始まったが、女性最高経営者と大スター指揮者との真実ゲームの様相へと拡大していった。昨年12月初め、市響職員17人は、朴前代表がたびたび暴言を浴びせかけたり、飲み会の場で男性職員の体に障ったりしたという訴えの文書を、メディアに送った。朴前代表は反ばくに乗り出し、鄭監督が職員たちの黒幕だと主張した。結局、朴前代表は自ら辞任し、警察の取り調べを受けた後、今月11日、強制わいせつなどについては容疑無しの処分を受けた。

◆そんな中、鄭監督を狙って、市響が支給した航空券を息子や嫁が使ったなどの雑多な疑惑が続いた。一部の市民団体は、これを基に業務上横領容疑で鄭監督を告発し、警察の取り調べが行われている。音楽界では、韓国が排出した世界的指揮者を変な言いがかりをつけて大恥をかかせていると、もどかしさを示す人たちが多い。2006年からソウル市響を率いてきた鄭監督のおかげで、昨年、欧州4か国主要音楽まつりで招待演奏を行った。アジアトップの交響楽団として注目を集めていただけに、過ちよりは功のほうが一段と大きいという。

◆ソウル市響の内訌による余震や影響が続いている。4月に予定されていた米ツアーがキャンセルされたのを始め、米紙ニューヨークタイムズなども、鄭監督関連の市響事態を報じた。今年でソウル市響が財団法人に変わってから10周年を迎える。市民から愛されるオーケストラ、世界的レベルの交響楽団を作るという目標とは依然ほど遠いが、ソウル市響が揺れていることも、マエストロ鄭明勳が離れる形も寂しいばかりだ。

高美錫(コ・ミソク)論説委員 mskoh119@donga.com

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