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[オピニオン]「怪談市長」李在明氏

Posted August. 25, 2015 07:23,   

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李在明(イ・ジェミョン)城南(ソンナム)市長は、厳しい環境を乗り越えて成功した人だ。10代の時、城南のとある手袋工場で働いていたが、左の手首を骨折する労災事故に見舞われた。彼の左腕は今も曲がっている。工場で、有毒な化学物質を多く吸い込んだため、嗅覚も失った。高校と大学入試共に検定試験で通り、その後中央(チュンアン)大学法学部に入学し、司法試験に合格して弁護士になった。李市長が常識に難癖をつけるような挑発的態度は、このような人生とも無縁ではないような気がする。

◆李市長は最近、「北朝鮮の方から先に砲撃?漣川郡(ヨンチョングン)の住民たちはなぜ、その音が聴こえなかったのだろうか」というタイトルの「メディア今日」の記事をリンクし、ツイッターに掲載した。北朝鮮が本当に先に砲弾を撃ち込んだのかを疑うニュアンスを匂わせている。この記事は、放送通信審議委員会の措置で、現在は削除された状態だ。氏は先月19日、国家情報院(国情院)ハッキングプログラムに関連しても、自殺した国情院職員の遺書について、「いくら見ても遺書らしくない」という文を掲載した。昨年12月は、「旅客船セウォル号の本当の所有者はチョンへジン海運ではなく国情院だ」と主張した。

◆疑惑は、その根拠が共感を得られなければ、怪談と言われる。北朝鮮による砲撃で、京畿漣川郡の野山に砲弾が落ちた14.5ミリの高射砲は、直径が大きくなく、撃った場所では大きな音がするだろうが、山野に落ちれば、「どさっ」という音がする程度だ。それを住民たちが聴こえなかったからといって、北朝鮮の砲撃を疑うのは、砲の射撃を一度も体験しなかった人が口にすることである。疑惑は真実を探し求めるための方法的疑惑であるべきで、疑惑そのものが目標であってはならない。

◆京頲(キョンヒャン)新聞は最近、韓明淑(ハン・ミョンスク)元首相の有罪確定に関連して、最高裁判所の判決を政治裁判だと批判する社説を書いた。保守陣営のメディアは言うまでもなく、進歩陣営のハンギョレ新聞までが、最高裁の判決を認める社説を書くと、京頲新聞だけが「一人で」現実とかけ離れた主張をすることになってしまった。李市長が、「86世代(80年代に大学に通った60年代生まれ)」的な図式にとらわれて、若い世代からも共感を得られない難癖をつけ続けることになれば、いつの間にか現実とかけ離れたデマを流す自分を目にすることになるだろう。

宋平仁(ソン・ピョンイン)論説委員pisong@donga.com