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[オピニオン]「被告」になった権垠希議員

[オピニオン]「被告」になった権垠希議員

Posted August. 21, 2015 07:17,   

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ある野党議員が20日、「有銭無罪、無銭有罪」という言葉で暗に「与党無罪、野党有罪」を主張した。罪の有無判断に与党か野党かで差別されているという意味だ。検察が、2012年の大統領選直前に起こった国家情報院大統領選挙介入疑惑事件と関連して金用判(キム・ヨンパン)元ソウル警察庁長官の裁判で虚偽の証言をした容疑で権垠希(クォン・ウンヒ)新政治民主連合議員を最近、不拘束起訴したことを受けての発現だ。言葉を作ることは自由だが、その意味が適切かどうか確かめなければならない。

◆金元庁長の起訴と裁判は全面的に、事件の捜査を受け持ったソウル水西(スソ)警察署の権垠希捜査課長(当時)の暴露によった。国家情報院女性職員の自宅を家宅捜索しようとすると、金元庁長が電話をかけて家宅捜索令状の申請を保留するよう圧力をかけたというのが暴露の核心だった。金元庁長に適用された容疑は、警察公務員法違反、職権乱用権利行使妨害、公職選挙法違反の3つだった。しかし裁判所は、一、二、三審すべてで無罪を言い渡した。

◆金元庁長の裁判では、権議員の法廷証言について、「別の証人(警察官)の証言や客観的事実を排斥し、被告に対する公訴事実が合理的な疑いを排除するほど信憑性があるとは見られない」と明らかにした。むろん、金元庁長が無罪になったからといって、権議員の偽証容疑が有罪になるとは限らない。しかし、誰かの暴露によって法廷に立たされた人が無罪になったとすれば、暴露した人の法的責任を問うてみる必要はある。司法府が厳正に審判すれば良いことであり、それに政治的解釈が割り込む理由はない。

◆しかも権議員はこの暴露のおかげで得たものも多い。「正義の使徒」という野党の称賛はさておき、総警クラスの警察幹部から国会議員に超高速出世した。当然受けるべき賞なのか、さもなければ偽りや誇張による成就なのか、国民は知る権利がある。金元庁長も来年の総選挙への出馬を狙っているという。2人が警察と法廷に続き、政治で再び対決することになるか、興味をそそられる。

李進寧(イ・ジンニョン)論説委員 jinnyong@donga.com



jinnyong@donga.com