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[オピニオン]南北の拡声器戦争

Posted August. 19, 2015 07:20,   

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自由北朝鮮放送のキム・ソンミン代表は、北朝鮮軍将校だった1995年、北朝鮮が寧辺(ヨンビョン)で核開発をしているというニュースを韓国の拡声器で聞いて驚いた。北朝鮮では聞いたことのない話だった。寧辺出身の部下がいたので聞いてみると、「数年前からそんな話がある」と話した。それからは金代表は北朝鮮政権を疑い始めた。韓国の心理戦放送が別の兵士たちに及ぼす影響も然り。夕方、待ち伏せ作戦を始める北朝鮮兵士にとって、韓国放送は翌日未明まで歌や最新ニュースを伝えるメディアだった。

◆11年ぶりに再開された韓国の心理戦放送に北朝鮮が反発するのは、その効果をよく分かっているからだ。特に、金日成(キム・イルソン)一家についての内容に敏感で、関連放送が始まると拡声器の方向をかえて妨害工作をする。このため、北朝鮮の拡声器放送は心理戦ではなく「制圧放送」と呼ばれる。北朝鮮の前方指揮官にとって、停電で拡声器の方向をかえることができない場合に備えて、発電機の稼動用油を確保することが最優先課題だ。

◆南北は2004年6月の将官級会談の合意により、軍事境界線地域ですべての宣伝手段を除去し、心理戦を中止した。将官級会談のもう一つの合意は、西海(ソヘ・黄海)海上の偶発的衝突防止だった。しかし、北朝鮮は「西海上で相手の艦艇や民間船舶に不当な行為をしない」という合意を破り、2010年に哨戒艦「天安(チョンアン)」を沈没させた。心理戦停止合意も破られるほかない。韓国軍は前方地域11ヵ所に拡声器を設置したものの放送はしていなかったが、今回の地雷挑発を機に心理戦を再開した。

◆2008年の金剛山(クムガンサン)観光中止、2010年の5・24北朝鮮制裁、今年の北朝鮮心理戦再開は、すべて北朝鮮の挑発に対する制裁措置だ。北朝鮮の挑発がなければ、韓国が心理戦を行うこともなかった。「結者解之(自分の過ちは自分で解決する)」すべきは北朝鮮だ。北朝鮮の繰り返される挑発を阻止するには生ぬるい対応ではいけない。5・24制裁解除を主張して、北朝鮮に無駄に期待させることもあってはならない。

方炯南(パン・ヒョンナム)論説委員 hnbhang@donga.com



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