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[オピニオン]美術界の人物難

Posted June. 12, 2015 07:23,   

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世界で最も多い観覧客が訪れる英ロンドン・テート美術館のニコラス・セロタ総館長は、27年間、その座を守っている。現代美術を中心に注目を集めている米ニューヨーク現代美術館のグレン・ローリー館長は、20年間微動だにしない。長期間ポストにつくことができたのは、能力ある人材を選んで、成果を出すことができるよう、十分な時間が与えられていたからだ。そのおかげで、彼らは2002年から美術専門誌「アートレビュー」が発表する「世界美術界のパワー100人」の上位圏から外されたことがない。

◆国内美術界が国立現代美術館長の人選を巡って騒がしい。8か月間空席となっている国立現代美術館の新館長を選ぶために1月から始まった人選手続きが、振出しに戻った。文化体育観光部(文体部)は9日、4ヵ月間引きずってきた採用手続きを白紙化させ、「館長の再公募」を決定した。すると、最終候補に上がっていたチェ・ヒョジュン元京畿道(キョンギド)美術館長が10日記者会見を開き、金鍾鄹(キム・ジョンドク)長官を「文化部門のサイコパス」に喩えて、「自分の味方でなかった人は受け入れられなかったようだ」と批判した。さらに、ソウル大学商科学部出身で、米国で美術を勉強したチェ元館長は、「目覚ましい弘益(ホンイク)大学」について言及した。ソウル大学美術学部と弘益大学美術学部の美術界の2大派閥が拮抗している状況の中、弘益大学出身長官の学閥人事を批判したのだ。

◆文体部の関係者は、「美術界の意見収集の過程で、資質不足の問題が持ち上がり、自主的な検証に通らなかった」と釈明した。実際、最終候補らの名前が伝わったとき、首をかしげる美術界の関係者も多かった。とはいえ、国立オペラ団長任命を巡る騒ぎを始め、文体部の独断的人事行政が次々と騒ぎを起こしているのは深刻な問題だ。

◆わが美術界にこれほど人材がいないか、と嘆く声も出ている。公募制の代わりに任命制にすべきだとか、サッカー代表チームを生まれ変わらせたウリ・シュティーリケなどの人物を迎え入れるべきだという声もある。任期2年の館長を選ぶのに、どこまで時間を費やすのか見当もつかないことになった。韓国美術界の看板トップに誰が選ばれても、長年来の学閥や派閥争いにどのように切り抜けていくのか気になる。

高美錫(コ・ミソク)論説委員 mskoh119@donga.com