朴槿恵（パク・クンヘ）大統領は、２０１４年２月にあったロシアのソチ冬季五輪の開幕式に出席しなかった。韓国が次期平昌（ピョンチャン）冬季五輪の主催国なのにだ。経済革新３ヵ年計画の発表があり、参加することができなかったという説明があった。安倍晋三首相と中国の習近平国家主席は参加し、ロシアのプーチン大統領と緊密な首脳外交を行った。米国、英国、フランスなど欧米諸国の首脳が参加しなかったため、両者は丁重なもてなしを受けた。韓国は慌てて閉幕式に鄭ホン原（チョン・ホンウォン）首相を行かせた。
◆安倍首相は４月、インドネシアのバンドンで開かれたバンドン会議６０周年記念式に出席した。日本は植民支配国であるにもかかわらず、６０年前にインドとインドネシアの支持でバンドン会議に参加した。一方、韓国は当時中国が反対したため参加できなかった。韓国は今回も招待されず、この期間に朴大統領は南米を歴訪した。安倍首相は、共に参加した習主席と突然、首脳会談を行い、日中関係の改善を試みた。韓国政府は全く予想していなかったことだった。
◆朴大統領は２０日、訪韓中の国連教育科学文化機関（ユネスコ）のボコバ事務局長に会い、日本が朝鮮人強制徴用で悪名高い端島炭鉱などの世界文化遺産への登録を推進していることに憂慮を表明した。１９日に尹炳世（ユン・ビョンセ）外相がポコバ事務総長にすでに同様の憂慮を示していたので、「大統領まで」という思いがした。世界遺産委員会の決定は加盟国が下す。中立の立場を維持する事務総長は介入できない。効果は期待できず、日本の反発だけを招く憂慮表明だった。
◆韓国の外交官たちは、日本の世界文化遺産登録そのものを阻止することは難しいと吐露する。彼らの現実的な目標は、登録の条件として過去に朝鮮人強制徴用があったという事実を十分に知らしめることだ。ドイツは、ナチス時代に強制労働を動員したツォルフェアアイン炭鉱を世界文化遺産に登録し、政府が追悼施設を建てた。安倍首相の日本でもこの程度のことはできるのではないか。今日この問題で初めて韓日協議が行われる。争いが長引かないことを望む。
宋平仁（ソン・ピョンイン）論説委員 pisong＠donga.com
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