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[オピニオン]モディ首相の「インド変革」

[オピニオン]モディ首相の「インド変革」

Posted May. 20, 2015 07:27,   

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1970年代、インド・デリー大学のラジ・クリシュナ教授は、「ヒンズーの成長速度」という言葉を作った。ヒンズー教徒の多いインドの年間経済成長率がわずか3.5%である現状を指す造語だ。当時、朴正熙(パク・チョンヒ)政府の韓国が記録した10%台の高度成長に比べれば、わずか3分に1だった。1947年に独立したインドは、政治的民主主義が花を咲かせたが、経済的には、「ネール流の社会主義」が残した反市場・反開放政策のせいで、貧困から抜け出せずにいた。インドは1991年、経済危機に追い込まれてからようやく、市場開放の経済改革に取り掛かった。

◆長い社会主義経済が育てた規制万能の官僚主義、全てのことを神の意思とみなす特有の文化が簡単に消えるわけが無い。昨年5月に就任した貧民街出身のインドのナレンドラ・モディ首相は、成長や市場、企業、開放を重視するモディノミクスで新しい風を吹き込んだ。国際通貨基金(IMF)は今年、インドは7.5%成長して、中国(6.8%)を上回るだろうと見込んだ。一方、かつてインドを圧倒していた韓国の成長率の予測値は3%台前半だ。1人当たりの国民所得が2万8100ドルの韓国と1626ドルのインドの成長率を単純に比較するのは難しいが、隔世の感を感じさせる変化だ。

◆米ジャーナリストのロビン・メレディス氏は著作「象と龍」で、「数十年後、世界は米国やインド、中国という3つの大国が存在するだろう」と見込んだ。象はインドを、龍は中国を指している。カマル・ナート元インド商務長官は、「中国は短距離競争で勝ったが、インドはマラソンで勝利するだろう」と自信を示した。モディノミクスの成功は、インドが躍進する時期を繰り上げることができる。

◆インドには、いわば国会先進化法などの悪法まではないが、激しい政派間対立や根深い左派の影響力、政治化した労組の存在は韓国に似ている。政治圏や官僚社会のいたるところに根を下ろしている腐敗構造も、経済発展のネックとなっている。このような現状でも、モディ首相は一貫して、右折のウィンカーをつける改革で、国内外経済界の信頼を得て、成果を積み上げている。隣の芝生が青く見えるが、韓国でもモディのような政治家が多く出てくることを期待する。

権純活(クォン・スンファル)論説委員 shkwon@donga.com