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[オピニオン]文在寅氏が反すうすべき金武星氏の苦言

[オピニオン]文在寅氏が反すうすべき金武星氏の苦言

Posted May. 18, 2015 07:12,   

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最近、与党セヌリ党内部は、まさに「太平の世」を謳歌している。党内には親朴系(朴大統領系)、非朴系、親李系(李明博前大統領系)が混在し、それぞれの会合も開かれているが、党内のきしみ音が外部に漏れるようなことは起きていない。親朴系が潘基文(パン・ギムン)国連事務総長を次期大統領候補に担ぐ可能性を仄めかしたとき、李明博(イ・ミョンバク)前大統領が微妙なタイミングで自叙伝を出版したとき、海外資源開発を巡る不正を調べるとき、公務員年金の改革と国民年金を連携させる問題で大統領府が反対意見を表明したとき、「潜在していた対立の噴出」を予測する見方もあったが、それまでだった。

◆一時はセヌリ党も派閥間対立や摩擦で紛糾が絶えなかった。2007年の大統領候補選び選挙を機に対立姿勢を強めた親李系と親朴系間の摩擦は、殆ど戦争に近いものだった。2008年の総選挙での「候補公認虐殺」、2010年の世宗(セジョン)市修正案否決は両派閥が交わした攻防の決定版だった。2012年の総選挙では、親朴系が事実上候補公認を独占し、分党説まで流れた。この時、両派閥が分党に走ったなら、セヌリ党の総選挙勝利や政権再創出が可能だっただろうか。

◆当時、危機に陥ったセヌリ党を救い、今の地位を築き上げた最大の立役者は金武星(キム・ムソン)代表だ。親朴系の座長から非朴系に転落した金氏は、2012年の総選挙候補公認で脱落したとき、無所属での出馬を断念し、一党員としての道を選んだ。同年末の大統領選では、選挙を総指揮する総括選挙対策本部長として復帰し、朴槿恵(パク・グンヘ)氏の当選をサポートした。その後、一枚の手紙を残しては、再び平党員の道を歩んだ。曲折の末、2014年7月に党代表に選ばれた金氏は、党代表選に立候補しながら「候補公認権を行使しない」と宣言した。

◆金氏が、深刻な内部抗争に巻き込まれている新政治民主連合の文在寅(ムン・ジェイン)代表に向けて「選挙での候補公認権を捨てれば、全ては解決される」とアドバイスした。もちろん、来年の総選挙で金代表が、果たして公認権を行使しないかは見守るべきことだが、今から公言しているところを見ると、素直に受け止めても良さそうだ。実際、文代表は党のために、自らを犠牲にした経験が無い上、未だ親盧系(故盧武鉉元大統領系)のリーダーの印象さえ与えている。文氏は数十年にわたる政治経験の真髄が滲み出る苦言を反すうして見る必要がある。

李進寧(イ・ジンニョン)論説委員 jinnyong@donga.com