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[オピニオン]金鍾泌と李完九、政治家の嘘

[オピニオン]金鍾泌と李完九、政治家の嘘

Posted May. 16, 2015 07:21,   

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ヒットラーは、政治家の嘘に関する「明言」をよく言った。「重要なのは真実ではなく勝利だ」。「成功は真実と偽りを判断する唯一の裁判官だ」。「大衆は小さな嘘より大きな嘘に簡単にだまされる」。ヒットラーはマキャベリの追従者だ。マキャベリは「君主は時に個人的次元の美徳を持つべきでない時がある」と言った。ただ、マキャベリが想定した君主は、真実であれ偽りであれ共同体の利益を追求するという点がヒットラーと異なる。

◆朴正熙(パク・チョンヒ)元大統領は、5・16後、民政移譲の約束を破って大統領になった。金大中(キム・デジュン)元大統領が1992年の大統領選挙の敗北後に、涙を流して政界引退を宣言した場面が私には記憶に新しい。しかし、金元大統領は1997年に選挙に出馬して当選した。記者が「なぜそんな嘘をついたのか」と尋ねたが、その返事は詭弁でもあり傑作でもある。「私は嘘をついたことはない。約束を守ることができなかっただけだ」。

◆李完九(イ・ワング)前首相が、「真実に勝つものはない」と言って検察に出頭した日、金鍾泌(キム・ジョンピル)元首相は記者団に、「政治をするには、時には便宜上、発言を変えることができるが、絶対に嘘をついてはならない」と話した。私がその場にいたなら、発言を変えることと嘘はどんな違いがあるのか聞いただろうが、記者たちはそれ以上尋ねなかった。金氏は、嘘でない線でのみ発言を変えたということか。やはり金元大統領の言葉のように曖昧な所がある。

◆金氏と「ポスト金鍾泌」と呼ばれた李前首相は妙な因縁がある。同じ忠清(チュンチョン)出身ではあるが、李氏は2002年、ハンナラ党(セヌリ党の前身)に移籍し、金氏が率いた自民連の没落を早め、セヌリ党で「ポスト金鍾泌」となった。金氏ほど政治資金の現実をよく知る人もいない。金氏の話は、「私は、あなたのことも知っているし、慶南(キョンナム)企業の成完鍾(ソン・ワンジョン)会長のことも知っているが…」と言っているように聞こえた。大衆は、政界引退といった大きな嘘は大目に見ても、受け取った金を受け取っていないとか、婚外子を見に覚えがないという嘘は許さないものだ。

宋平仁(ソン・ピョンイン)論説委員 pisong@donga.com



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