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[オピニオン]「中東?お前が行け!」

Posted March. 25, 2015 07:25,   

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ユーモアのつもりで口にした言葉が、空気を盛り下げる場合がある。「韓国の若者がほとんどいなくなるほど、ぱっとやってみましょう。皆どこに行ったの。皆『中東に行ったのよ』と」という朴槿恵(バク・クンへ)大統領の発言もそうだ。19日、大統領府の貿易投資振興会議で雇用労働部長官に話した言葉だ。その日、朝刊新聞に青年失業率が史上最高だという記事が載っていた。中東歴訪を終えて帰国したばかりで興奮が冷めていない状態で、若者たちの雇用を気にして口にした言葉だったはずだが、中東勤務の厳しさへの共感が含まれていないような気がして、聞きづらかった。

◆一昨日、与党セヌリ党の金武星(キム・ムソン)代表が、試験準備生でひしめき合っているソウル新林洞(シンリムドン)のとあるカフェで、若者たちと会合を開いたが、一部の青年団体のメンバーらが、映画「友へ」の台詞「お前が行け、ハワイ」をパロディーしたピケ「若者たちを中東に送らせるなんて、お前が行け」を手にして、掛け声を叫んだ。1970年代、建設労働者たちは家族と離れて、酒や娯楽も自由に楽しむことのできない中東で、砂漠の熱気と戦いながら金を稼いだ。当時、大統領府に住んでいた朴大統領が、「中東に行け」という言葉を口にする時は、労働者の家族たちの気持ちに立ち返って、その言葉が意味することを一度ぐらいは考えるべきだった。

◆朴大統領は1月の新年記者会見で、「対面報告が余りにも少ない」という記者の批判に、陪席していた閣僚らを振り返りながら、「それが必要だと思いますか」という質問を投げかけて、笑いを引き出した。それから記者に向かって、「大統領府に出入りしながら、余りにも分からないんですね」と語った。朴大統領が記者の鋭い質問をユーモアとして聞き流したと賛辞を送った人もいたが、その時、閣僚らは笑うことのほか、果たしてどんな反応を示すことができただろうか。

◆朴大統領も自分はユーモアが苦手だということをよく知っている。だから、大統領になる前は手帳に面白い言葉を書きとめておいて、聞かせたりもした。面白くないユーモアでも、それなりに頑張る姿がなかなかよかった。即興的なユーモアは共感能力の所産だ。効果的なユーモアがほしければ、共感能力から先に身につけるべきだとアドバイスをしたい。

宋平仁(ソン・ピョンイン)論説委員 pisong@donga.com