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[オピニオン]故郷投票制という便法

Posted March. 20, 2015 07:19,   

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1812年、米マサチューセッツ州のE・ゲリー知事は、上院選挙法の改正案で所属党の共和党に有利なように選挙区を区割りした。その形がサラマンダーに似ていたことから、ライバル党がゲリーの名前をつけてゲリマンダーだと非難した。選挙区の画定で、原則を破って自分たちに有利なように継ぎはぎするゲリマンダリングは、韓国国会の選挙区交渉でも起こっている。

◆野党新政治民主連合の黄柱洪(ファン・ジュホン)議員(全羅南道長興−康津−霊岩)が、いわゆる「故郷投票制」法案を発議した。有権者が住民登録地に関係なく出生地(故郷)や家族関係登録地(本籍)でも投票権を行使できるように選択権を与えようということだ。地方が故郷の大都市の人々を呼び込めば、選挙区を統合しなくても選挙区がなくなる事態を防ぐことができる。統廃合の対象となる農村を選挙区とする議員から出たアイディアが正式の法案として提出されたのだ。

◆国会政治改革特別委員会が18日、1回目の会議を開き、来年の4・13総選挙を控え選挙区画定議論に入ったことで、人口不足で選挙区がなくなる危機にある農漁村出身の与野党議員は非常事態となった。与党セヌリ党の黄永哲(ファン・ヨンチョル)議員(江原道洪川−横城)は、選挙区の面積が全体選挙区の平均面積の2倍を超えないようにする改正案を出した。昨年10月、憲法裁判所は選挙区間の人口偏差が2対1を超えれば「票の等価性」に反し、違憲という決定を下したが、「面積基準」を前面に出して農漁村選挙区の統廃合を阻止しようという考えだ。

◆人口だけを基準に農漁村選挙区を大々的に統廃合すれば、歴史と伝統が異なる地域の代表性が喪失・歪曲される恐れがあるため、「農漁村の主権を守る会」を作った議員もいる。現行の小選挙区制を中大選挙区制に改編すれば、農漁村地域も議員数を維持できるが、実現の可能性はあまりない。ゲリマンダリングだけでは事足りず、住民登録地を基準に人口数を算定する公職選挙法の大原則まで崩壊させる便法を使って説得力があるだろうか。

朴成遠(パク・ソンウォン)論説委員 swpark@donga.com



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