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[オピニオン]サード反対は恐中症か

Posted March. 14, 2015 07:17,   

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今年初め、中国の2隻目の航空母艦の建造プロジェクトが中国地方政府によって確認された。中国常州市の新聞弁公室は1月31日、ツイッターで、「常州市のある企業が、2隻目の空母に使われる電気ケーブルの納品業者に選ばれた」と明らかにした。今月初めには、中国共産党機関紙「人民日報」が大連で2隻目の空母が建造されていると報じた。

中国が3年前に就役した空母「遼寧」に続き2隻目の空母を確保すれば、西海(ソヘ・黄海)をより明確に内海として掌握することができる。遼寧は、米国の空母のように総合的な戦闘能力は備えていないが、2隻目となる空母は名実共に不沈空母として建造され、周辺国に深刻な脅威になると、軍事専門家たちは見ている。

しかし、韓国は中国の空母拡充に特に関心がない。憂慮や反対の声も聞こえない。中国は5年前、哨戒鑑「天安(チョンアン)」沈没後、米国が韓米演習を行い、空母「ジョージワシントン」が西海に進入すると、強く反発した。国内の一部も同調し、米空母の西海演習は中止になった。

中国の軍事力の拡充に対する無関心は、「中国が反発する」という理由で提起されているサード(THAAD・高高度ミサイル防衛システム)反対論の純粋性を疑わせる。中国の空母は、韓国を狙うこともできる攻撃用兵器だ。一方、サードはミサイル防衛用の盾だ。現実的な脅威である中国の空母には目を向けず、韓米が配備するかどうか議論すら始めていないサードに反対して、どうやって国を守るのか。

海軍作戦司令官を務めた韓国海洋戦略研究所の宋根浩(ソン・グンホ)顧問は、「習近平政権以降、中国は強力な海洋膨張政策を推進しているため、西海での軍事力の増強を他人事のように考えてはならない」と指摘した。中国が2013年に離於島(イオド)を含む地域に防空識別圏(CADIZ)を設定したのは、海洋領域の拡大を狙った措置だった。中国が予告した通り、西海にも防空識別圏を設定する場合、韓中間の葛藤が生じ、空母は大きな脅威になるだろう。

政界、学界、市民団体のサード反対論は中国に偏っている。丁世鉉(チョン・セヒョン)元統一部長官は11日、ある番組に出演し、「中国を牽制し、中国を監視し、時には中国を攻撃できるために、中国がサードに強く反発する」とし、中国政府報道官のような論理を説いた。野党新政治民主連合の兪承希(ユ・スンヒ)最高委員は、「サードが配備されれば、韓半島が中国やロシアの1次的な攻撃目標になる結果を招く恐れがある」と主張した。中国の顔色をうかがうだけでなく、自ら隷属する考えだ。朝鮮時代の事大主義に戻ろうということか。中国サッカー界の恐韓症のように、韓国は安保・外交分野で中国の反対を恐れる「恐中症」にかかったのか。

数年間、済州(チェジュ)海軍基地の建設に激しく反対した勢力は、「中国を刺激すれば、安保が危険になる」と主張する。もし、韓米がサードの配備で合意する場合、反対論者がどのように出てくるか想像に難くない。

中国は、基本的に韓米同盟の強化を阻止しようとする。米国が韓中関係の変数になると、韓国には客観的かつ公正な基準で中国を見ない見方がある。盧武鉉(ノ・ムヒョン)政府は2003年、韓中関係を「全面的協力パートナー関係」に格上げした。2008年、李明博(イ・ミョンバク)政府では「戦略的協力パートナー関係」に高まったが、盧元大統領の支持勢力が自負するほどの成果だ。米国と現政権が憎いからと、中国の肩を持つゆがんだ見方は、「韓中パートナー関係」に相応しくない。