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[オピニオン]70代のフォーク歌手の歌「君は老いたことがあるのか…」

[オピニオン]70代のフォーク歌手の歌「君は老いたことがあるのか…」

Posted February. 18, 2015 06:43,   

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「30年間働いたが、職場から突然路上に追い出された。人は私のことを失業者と呼ぶだろう。月曜日に登山をし、火曜日に棋院に行き、水曜日には卓球場。週末は結婚式場、夜にはお通夜〜」。世の中の中心から追いやられた中高年層が共感する日常を告白したある歌の出だしだ。

◆最近、公開されたこの歌の題は、「君は老いたことがあるのか。私も若かったんだ」。フォーク第1世代の歌手、徐酉錫(ソ・ユソク、70)が25年ぶりに出した新曲だ。「7080世代」の愛唱曲、「過ぎ去っていく歳月」、「美しい人」、「一人アリラン」などでお馴染みのハスキーな声で胸に迫る歌詞を続ける。「妻が引き止め、子どもたちが何を言っても、私はやる。コンピュータを学び、インターネットをするんだ。英語も学び、中国語も学び、アラブ語も学んで、この広い世の中を見物するんだ」。曲を作り、教会などでギターを弾いて歌ったところ、高齢の聴衆の反応が熱かった。人々は歌の動画を作り、ユーチューブにアップした。

◆「解放ベビー」の歌手が同世代の心をつかみ、若者に世の中を見る目を開いてやろうと作った歌が大ヒットした決定的な契機は、政界が提供した。昨年10月、国政監査場で薛勲(ソル・フン)新政治民主連合議員がジョニー・ユン韓国観光公社常任監査に、「年を取れば判断力が落ちるので休むのがいい。79歳なら引退して休む年ではないのか」と言った。薛氏の老人蔑視発言の後、この歌を主題にした「60代自作ミュージックビデオ」の動画が急速に広まり、80万件を超える閲覧数を記録した。

◆「年齢が90歳だが老眼鏡も使わず、補聴器もつけない。入れ歯一つなく肉を噛む。誰が私に杖を握らせて老人のように扱えるだろうか。世の中は30年間、私をだました」。韓国社会の中途半端な老人の扱いを皮肉る歌詞は軽快なリズムとよく合って耳に馴染む。正月を迎えて私たちは皆一つ歳を取る。老年層だけでなく若い世代も最後のリフレーンを考えなければならない理由だ。「君は老いたことがあるのか。私も若かったんだ。今この瞬間から私は新たに出発する」。

高美錫(コ・ミソク)論説委員 mskoh119@donga.com