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[オピニオン]愛国詩人、尹東柱70周忌

[オピニオン]愛国詩人、尹東柱70周忌

Posted February. 17, 2015 07:08,   

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「井戸の中は月が明るく、雲が流れ、空が広がり/青い風が吹いて、秋があります。そして一人の男がいます」(自画像)。「灯火をつけて、暗闇をすこし追いやり/時代のように訪れる朝を待つ最後のわたし」(たやすく書かれた詩)。「死ぬ日まで空を仰ぎ、一点の恥辱なきことを/葉あいにそよぐ風にも、わたしは心痛んだ」(序詩)。美しく透明な心眼で自己の内面を見つめ、現実を悩んだ悲しき天命の詩人、尹東柱(ユン・ドンジュ)。国を奪われた過酷な時代を星が風をかすめるように27才でこの世を去った彼の70周忌が16日だった。

◆「お母さん、わたしは星の一つひとつに美しい言葉をひとことずつつけてみます。小学校のとき机を並べた子達の名まえと、佩(ペ)、鏡(キョン)、玉(オク)、このような異国の少女たちの名まえと、もう赤ちゃんのお母さんになった娘たちの名まえと、貧しい隣人たちの名まえと、鳩、小犬、兎、らば、鹿、フランシス・ジャム、ライナー・マリア・リルケ、このような詩人の名前をつけてみます」(星を数える夜)懐かしさをこのように美しく紙に書く心も目も温かい。時代と国境を越えるヒーリングが込められている。

◆尹東柱逝去70年を迎え、様々なイベントが国内外で行われている。特に、彼が亡くなった刑務所がある福岡では、1994年から詩の朗読会と追悼式が毎年開かれている。最近では、詩碑の建立が一部の嫌韓派の反対にもかかわらず推進されている。「日本人が尹東柱を称えてこそ、過去に対する真の反省がなされる」と福岡県立大学の西岡健治名誉教授は最近、東亜(トンア)日報に話した。

◆「人生は生きにくいというのに/詩がこのようにたやすく書かれるのは/恥ずかしいことだ」。詩を書きながらも自己への省察を怠らなかった尹東柱の魂は純潔だ。不幸な時代に苦悩し、抵抗して彼が残した詩を私たちはあまりにも簡単に読み、恥ずかしさを忘れて生きている…。星夜に風が吹く時、空を見上げてみよう。「ある隕石の下へひとり歩いてゆく悲しい人の後ろ姿」(懺悔録)のような彼を思いながら。

韓起興(ハン・ギフン)論説委員eligius@donga.com