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[オピニオン]節約給油所と市場経済

Posted February. 14, 2015 07:20,   

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全国でガソリン価格が最も高い給油所は、ソウル汝矣島(ヨイド)の国会議事堂前のガススタンドだ。国民の税金で毎月ガソリン費の支援を受けている国会議員の車両が主に利用しているので、あえて価格競争をする必要がない。その代わり、ミネラルウォーターなどのサービスは惜しまない。ハンドルを握った運転手たちのためだ。最近は、「国庫浪費」という世論の批判のためか、少し値下げしたとは言え、国庫支援を受けることの無い普通の市民は、1リットル当たり100ウォンぐらい安くても、遠い道を回ったいく。

◆政府が補助金や税制上恩恵を与える「節約ガススタンド」は一時、周辺のガススタンドよりガソリン価格が安く、人気を集めた。当時の李明博(イ・ミョンバク)大統領が、「ガソリン価格が不思議だ」と発言したことを受け、政府が石油価格の安定を名分に、2011年に1号店がオープンしてから、今は全国に1134ヵ所に上っている。しかし、最近は、ガソリン価格が値下がりし、節約ガススタンドも、起業よりは廃業のほうがより多くなっている。わが国には1万2400ヵ所の給油所があるが、経済規模に比べ過度に多いという指摘もある。ガソリンの使用量が韓国と似ている英国は、ガススタンドが計8000ヵ所あまりだ。

◆最近、韓国給油所協会が、「韓国石油公社の節約ガススタンド事業は、公共機関の優越的な立場を乱用した不公正行為だ」と主張し、公正取引委員会に提訴した。石油公社は複数の製油メーカーから入札を受けて、安価でガソリンを大量に購入した後、ほとんどマージン無しに節約ガススタンドに供給している。公企業の石油公社が一部のガススタンドだけに特別恩恵を提供するのは、不公正取引だというのが協会の主張だ。一方、節約ガススタンド協会は、むしろ一般ガススタンドのほうが大手企業からあらゆる特別恩恵を受けていると反ばくしている。

◆節約ガススタンドは事実、政府が市場に直接参入して、民間企業各社と競争するという点では未曾有の政策だ。政府は競争力ができれば石油公社の事業を民間に引き渡すと主張しているが、まだそんな兆しは見えない。節約ガススタンドが国民の税金で一部の業者だけに恩恵を与える反市場政策という批判にも一理がある。しかし、節約ガススタンドの多い高速道路で、わざわざ注油する消費者たちも多い。朴槿恵(パク・クンへ)政府としてはどちらの肩を持つべきか困るだろう。

申然鐏(シン・ヨンス)論説委員 ysshin@donga.com