Go to contents

[オピニオン]大統領の回顧録

Posted January. 28, 2015 07:18,   

한국어

「9月11日、私が最も挫折を感じたのは、専用機に通信施設が全く整っていなかったことだ。…ローラに数回電話をかけたがつながらなかった」。ブッシュ前大統領の回顧録には、2001年の9・11テロ当日、空のホワイトハウスと呼ばれるエアーフォースワンで、参謀だけでなく国会議事堂にいる夫人とも電話で話すことができなかったという信じ難い内容がある。歴史的な瞬間に起こったこのような困惑するエピソードは、大統領が記録を残したことで知ることができた。

◆旧ソ連のゴルバチョフ大統領が故郷のスタヴロポリの党第2書記の時、高麗人がやって来て、灌漑用地にタマネギを育て、1ヘクタール当たり45トンは当局が取り、残りは自分たちが取ることを提案した。高麗人は畑のそばで生活して働き、高い収益を上げた。しかし、連邦検察が社会主義の原則を破ったことを問題視したことで、高麗人は追放され、現地ではタマネギが不足し、輸入することになる。韓国人の強靭な生活力を示すこのエピソードは、一昨年に出版されたゴルバチョフの回顧録に書かれている。

◆李明博(イ・ミョンバク)前大統領が来月2日、回顧録『大統領の時間』を出版する。第1章は「私は大統領を夢見なかった」で始める。800ページの膨大な量だが、政治的に敏感な問題は極力除いたと参謀が伝えた。しかし、「天然資源のない国として、資源外交に力を入れざるを得ない」、「4大河川事業の効果をすでに見ている」といった内容は、最近議論になっている在任中の主要事業を擁護している。今この時期に出すことに政治的な考慮がないと見ることはできない。

◆90歳の金鍾泌(キム・ジョンピル)元首相は、一代記を3月に漫画で出す。5・16軍事政変と40年余りの屈曲の政治人生ついて肉筆を残してもいいようなものだが、回顧録を出さない。自分が一人で大韓民国を作ったかのように自画自賛の回顧録は出さないというのが所信のようだ。金元首相は現代史の生き証人であるため、もし回顧録が出たら貴重な史料になるだろう。しかし、どこまで真実を明らかにできるか悩ましいところだろう。

韓起興(ハン・ギフン)論説委員eligius@donga.com