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[オピニオン]果たして学校で人間性を教えることができるだろうか

[オピニオン]果たして学校で人間性を教えることができるだろうか

Posted January. 27, 2015 07:06,   

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2007年、当時の与党ハンナラ党の大統領候補選びの過程で、朴槿恵(パク・クンへ)大統領が小中高校時代の学校生活記録簿を公開した。組長(日本の学級委員長に相当)の地位を逃さず、勉強をよくできる優等生だった。「まじめ」という項目は、一度ももれていない。特に、奬忠(チャンチュン)小学校時代の児童簿には、「自尊心の強い子」、「特定の児童たちだけと遊ぶ習慣がある」という記録が、聖心(ソンシム)女子高校のときは、「過度に慎重だ」という評価が目に付く。「児童生徒の朴槿恵」の人間性への教師達の鋭い観察力に感心する。

◆学生簿総合選考(入学査定官選考)の登場と共に、人間性は大学入試でも影響を及ぼすようになった。大学では、「人間性が分かるように具体的な事例を挙げて」自己紹介書を作成するよう要求している。事実上の人性評価だ。李明博(イ・ミョンバク)政府は、学校暴力を生活簿に記録し、学校暴力減少の効果を狙ったこともあった。今年は、黃祐呂(ファン・ウヨ)社会副首相兼教育部長官が、教育大学や師範大学入試から人間性評価を強化すると明らかにし、議論に火をつけた。

◆即座に保護者が動揺し、私教育市場がざわついている。全国教職員労働組合は、「点数による序列競争が解消されない状況の中、人間性評価の強化が新しい人間性競争を誘発することになる」と批判したものの、韓国教員団体総連合会は、積極的に歓迎する模様だ。私教育業者らは、人間性選考市場の開拓に乗り出す構えだ。しかし、気になることがある。どんな人間性をどのように評価するつもりなのか。

◆米紙ニューヨークタイムズは最近、「学校で人間性を教えるべきか?」という挑発的コラムを掲載した。自制力、好奇心、意志、まじめ…。このような特徴の人間性は、学校の成績や人生の成功に知能より大きな影響力を及ぼしているという研究結果もある。しかし、不屈の意志とはいえ、常に望ましいことではないかもしれない。「好奇心」が「まじめ」より点数が高いか低いかは、評価者ごとに違うだろう。児童生徒の外向性と内向性によって、教師が違うやり方で指導するならともかく、性格を変えるよう「教育」するわけにはいかないという議論も熱い。さらに、試験で人性を評価するようになれば、韓国の生徒達は、正解を丸暗記して、通る可能性が大きい。人間性が入試のための手段になった瞬間、人間性教育はもう終わりだというのが人間性教育のジレンマだ。

鄭星姫(チョン・ソンヒ)論説委員 shchung@donga.com