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[オピニオン]現実の「黄海」

Posted December. 13, 2014 10:51,   

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映画「黄海(ファンヘ)」は、朝鮮族社会の暗い一面を極写実主義的に描いている。劇中で朝鮮族ミョンガ役のキム・ユンソクとクナム役のハ・ジョンウの優れた演技、俳優の完璧な朝鮮族のなまりが映画ファンの間で話題となった。ミョンガが大きな骨を持って人々を片っ端から片づける場面も印象深いが、自分を殺そうとする殺人請負業者を殺した後、手下に言った台詞が忘れられない。「頭は捨てて、残りは犬にやれ」

◆残酷無悲な「黄海」の一場面のようなことが実際に起きた。京畿道水原八達山(キョンギド・スウォン・パルタルサン)で起きたバラバラ殺人事件の被疑者として、警察が50代半ばの朝鮮族パク容疑者を逮捕した。被害女性は同棲していた朝鮮族キム氏と推定される。同棲女性を殺害してバラバラにし、人の出入りが頻繁な山に捨てた犯行の残酷さは、サイコパスを扱った映画を見ているようだ。特に、被疑者が朝鮮族であることから、朝鮮族の人々が同じ目で見られないか心配だ。

◆今回、バラバラ死体が発見された場所は、オ・ウォンチュン事件が起きた水原八達区池洞(ジドン)の住宅街と1.3キロしか離れていない。犯行の手口も似ており、「第2のオ・ウォンチュン事件」とささやかれている。2012年4月、池洞の路地を歩いていた20代後半の女性が、朝鮮族オ・ウォンチュンに誘拐された。オ・ウォンチュンは翌日午前2〜3時、3、4度にわたって性的暴行を試みたが失敗すると、殺害して刃物で死体を300に細かく切断した。

◆国内に居住する朝鮮族は50万人を超えた。彼らの仕事も、単純労務や食堂補助、家政婦、代行運転士のほか事務職にまで拡大し、一般国民との接触も多くなっている。朝鮮族が韓国人の雇用を奪っているという見方もあるが、彼らが従事する仕事は概ね低賃金単純労働で、韓国人が忌避する業種だ。外国人の犯罪が増えれば、ジェノフォビア(外国人嫌悪症)が激しくなり、その余波は健全に生活する外国人にまで及ぶ。しかし、朝鮮族は私たちの同胞であり、50万人も暮らしていれば、犯罪者も入ってくるものだ。

鄭星姫(チョン・ソンヒ)論説委員 shchung@donga.com