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[オピニオン] 「無公害産業」青松刑務所

Posted December. 06, 2014 08:54,   

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全斗煥(チョン・ドゥファン)元大統領と新軍部は、マッチョなギャング映画をよく見たようだ。パピヨンが閉じ込められていたデビルズ島やアル・カポネを収監したアルカトラズ島のような刑務所を作る構想をした。強力犯を隔離し、脱出は絶対夢見ることができない島を探したが、見つからなかった。囚人は仕方ないとしても、刑務官が何の罪で人里離れた島で家族と共に流刑生活をしなければならないのか。結局あきらめ、陸地で辺境地を探した。そうして選択したのが慶尚北道青松(キョンサンプクト・チョンソン)の山奥だ。

◆「この門をくぐる者は一切の希望を捨てよ」。ダンテが『新曲』で描写する地獄の門の前にはこのような句が書かれている。青松刑務所の収監者は、脱獄の夢だけは早期に断念しなければならなかった。3面を急な絶壁で囲まれ、唯一の進入路にはものものしい警備が幾重にも張られているためだ。どれほど暗黒街で悪名を轟かせても、ここでは「真面目に生きよう」と誓って過ごすのがいい。1980年に保護監護所として出発してからこれまで、脱走に成功した事例がない。収監者にとっては「パピヨン刑務所」に相違ない。

◆青松郡真宝面(チンボミョン)には現在、慶尚北道北部に1、2、3刑務所など矯正施設が4ヵ所ある。このうち2つの刑務所には厳重な監視が必要な囚人が、そのほかには一般犯が収監されている。青松といえば「矯正タウン」と名高いが、住民が女性刑務所をさらに誘致すると動き出した。青松が選挙区の金在原(キム・ジェウォン)セヌリ党院内副代表は、「先進国では刑務所を嫌悪する施設ではなく、無公害産業として、地域に全く被害を及ぼさず住民の所得を高める所得源と評価する所がかなりある」と述べた。

◆青松刑務所は問題なく地域社会に同化した。刑務所の職員と家族が現地に多く居住し、不動産、学校、金融機関などが活性化し、面会客が落とす金も地域経済の助けになった。洛東江(ナクトンガン)の上水源で開発が難しいところなので、青松に企業施設が来ることは難しい。忌避施設を作ろうとすれば地域の反対が常である昨今、青松の住民が見せた発想の転換が新鮮だ。

韓起興(ハン・ギフン)ン論説委員eligius@donga.com