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[オピニオン]警察官のボディカム

Posted December. 03, 2014 06:44,   

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米国は最近、人種差別撤廃を求めるデモで混沌としている。デモ参加者は地面に死体のように横たわり銃殺害のパフォーマンスをし、「手をあげた、撃つな(Hands Up, Don`t Shoot)」と書かれたプラカードを持って両手を上げ行進する。今年8月9日、ミズーリ州ファーガソン市で白人警官に銃で撃たれて死亡した黒人のマイケル・ブラウンさん(18)の事件を機に起こったデモだ。

◆非武装の黒人に対して6発の銃弾を撃った警官は先週、不起訴処分を受けた。黒人社会は、人種差別と不公正な法執行だと抗議し、ファーガソン市では放火や略奪などの暴動が発生した。米全域で同調デモが起こり、オバマ大統領が1日、再発防止策を出した。中でも、警察官の体につけるボディカムの導入・拡大を指示した。ボディカムは、服やサングラスにつける小型カメラで、1台当たりの価格は400〜600ドル。

◆オバマ大統領は5万台のボディカムの購入を含め、警察の信頼回復と改革に向けて2億6300万ドルを投じる予定だと明らかにした。これに先立ち、地方政府は自主的にボディカムを活用した。カリフォルニア州リアルトでは、2012年にボディカムを導入して以降、警察に対する苦情が大幅に減ったという。しかし、活用範囲の論議もある。たとえば、家庭内暴力の現場に出動した警官が被害者に撮影の承認を受けなければならないのか、寝室のような内密な空間を撮影してもいいのか、映像ファイルはどれだけ保管しなければならないのか、といった問題だ。プライバシーの保護と公権力の乱用防止の領域区分が曖昧なのだ。

◆現代人が知らないうちに誰かに監視される映画「トゥルーマン・ショー」の主人公のような境遇だ。自動車のブラックボックスからあちこちに設置された防犯カメラまで、視線から自由になれない。他国のこととはいえ複雑な心境になる。市民の安全のための手段と、監視に飼い慣らされた日常、2つのうちどちらを選択するのか。両刃の剣である先端機器がもたらす得失を考えなければならない。

高美錫(コ・ミソク)論説委員 mskoh119@donga.com