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[オピニオン]三星マンとハンファマンの「未生」

[オピニオン]三星マンとハンファマンの「未生」

Posted November. 29, 2014 03:49,   

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三星(サムスン)グループでは、非主力系列会社を「後者」と呼んだりする。三星電子を「前者」と称しながら、ほかの残りは、存在感の薄いものに喩えての自嘲的な言葉だ。三星電子があまりにもずば抜けているために、このような冗談まで生じた。ハンファグループに売られた三星テクウィンや三星総合化学など4つの会社も、グループでは庶子の冷遇を受けた。

◆三星という大きな傘の下にいたが、一夜にしてハンファに所属の変わった三星テクウィンなどの役員や従業員7500人の剥奪感が激しい。グループ序列が財界トップから9位に墜落するなんて、職員らがざわめくのも頷ける。三星から合格通知書を受け取った新入社員たちとしては、青天の霹靂かもしれない。三星でオーナーが決断を下したから、抵抗することも容易ではない。彼らがハンファを辞めれば、今後3年間、三星への再就職などできないと釘付けされており、にわかに実家との縁を切って、嫁いだ娘になってしまったのだ。

◆三星グループの李健熙(イ・ゴンヒ)会長の新経営モットーが、「妻や子供を除いては全てを入れ替えるべきだ」だった。コネがなくても、地方大学出身でも一所懸命に努力すれば、役員になりうる三星では、競争は激しいが、協力はなかなかできない空気だ。ハンファグループの社訓は、「挑献正」だ。挑戦や献身、正道の略語だ。金升淵(キム・スンヨン)会長は、系列会社の社長らに対して、「裏切るな」と口癖のように繰り返しているという。1952年に韓国火薬を設立したあと、系列会社のほとんどを買収合併(M&A)で育ててきた企業文化は、三星とは対比を成す。財界では、金会長をM&Aの大物と呼んでいるほどだ。自分の手で成し遂げた企業など一つもない。

◆02年、新東亜(シンドンア)グループの大韓(テハン)生命を買収して、ハンファ生命に社名を変えた後、12年間が過ぎたが、まだ、なかなか溶け込んでいないという声もある。「苦労してソウル大学に入ったのに、学科を無くすといって、中位圏大学に送らせたのと同様だ」という囁きも聞かれる。しかし、牛の尻尾よりは鳥の頭になるのがましかもしれない。三星では冷や飯だった化学や防衛産業が、ハンファでは嫡子だ。最近、サラリーマンの哀歓を描いたドラマ「未生」が人気だが、三星マンらもハンファに行って、それぞれの未生(サラリーマン奮闘記)を書いていくことになるだろう。

崔永海(チョ・ヨンへ)論説委員 yhchoi65@donga.com