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[オピニオン]消えつつある司法試験の夢

[オピニオン]消えつつある司法試験の夢

Posted November. 15, 2014 04:31,   

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「質屋は港だ」。とある詩人の詩のタイトルだ。文学の喩えは、結合する二つの観念の距離が遠いほど(遠いからといって必ずしも成功するわけではないが)、緊張感が膨らみ、記憶に残る。ニュースも、文学の喩えに似ているところがある。あることをやりそうもない人が、ほかならぬそのことをやった時、話題になる。1997年、スーパーモデル選抜大会でトップについたイ・ジンヨン氏が、今年、司法試験に合格した。彼女は、00年代前半からソウル新林(シンリムドン)の試験村で司法試験を準備してきた。

◆今年の首席合格の光栄は、現職の警察官が手にした。警察大学出身のキム・シンホ警部は、「3年4ヵ月間、毎日午前5時に、警察署に出勤して業務開始前までに、また、業務が終わった後は翌日の午前1時までに、1日平均9時間ずつ本と睨めっこをした」と話した。警察大学出身は、警部から始め、早ければ4、5年、遅れても7、8年になれば警監に昇進する。02年に任用された金警部は、12年間警部だ。司法試験の勉強を開始した人知れぬわけがありそうな気もする。

◆司法試験が終われば、心温まる話題の人物が出てきたりする。10年前の04年、司法試験に合格した張承守(チャン・スンス)氏が、長らく記憶に残る。肉体労働者出身の彼は、1996年、ソウル大学法学部にトップで合格したというニュースから聞いた。チャン氏は、合格の感想として、「勉強が一番やりやすかったんです」と話し、勉強が苦手だという人たちを恥ずかしがらせた。彼は、3度の挑戦の末、司法試験に合格し、弁護士として働いている。

◆幹部職試験を通じて、人性逆転を夢見る人たちが集まっていたところ、新林洞の試験村が活気を失っている。一時は年間1000人を越えていた司法試験の合格者が、徐々に減り、今年は204人だ。17年になれば、司法試験そのものが廃止となる。08年から、新入生を受け入れていないソウル大学法学部も、2017年末になくなる。ロースクール(法学専門大学院)は、授業料が高くて、ほかの仕事と並行するのが難しい。人性逆転という夢が消えつつあることを残念がる人たちが、司法試験の存置論を主張している。そのため、司法試験を残しておこうとする弁護士試験法の改正案が、国会に提出されているが、可決されるかどうかはまだ分からない。

宋平仁(ソン・ピョンイン)論説委員 pisong@donga.com