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[オピニオン]ベンチャー神話・モニュエルの詐欺

[オピニオン]ベンチャー神話・モニュエルの詐欺

Posted October. 28, 2014 03:15,   

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ロボット掃除機「クリンクリン」は、共働き夫婦や主婦の初心者には人気の高い嫁入り道具の必需品だった。この製品を作った会社がモニュエルだ。ホームシアターやパソコンなどで、世界家電展示会(CES)で、最高革新賞を複数受賞した。マイクロソフトの創業者・ビル・ゲイツは、「この企業を注目すべきだ」と褒め称えたこともあった。こう嘱望されていた企業が、突然企業回生手続き(旧法廷管理)を申請し、金融界を衝撃に落としている。

◆2004年に設立されたモニュエルは、三星(サムスン)電子北米販売王だったバク・ホンソク代表が経営を担当してから、攻撃的マーケティングで規模を拡大させた。昨年は売上げ「1兆ウォンクラブ入り」を果たし、うなぎのぼりだった。そんな会社が突然、銀行からの借入金を返済できないと主張し、企業回生手続きを申請したあと、審査過程で輸出書類を偽造し、違法融資を受けた状況が明らかになった。銀行10行の融資残高の6768億ウォンは、その大半が焦げ付きになる可能性が高い。年明けのKT・ENS事態に続き、最悪の「詐欺融資」事件だという言葉まで出ている。

◆モニュエルは、バク代表が持分の94.7%を保有している非上場企業だ。バク代表は、企業回生手続き申請直後行方をくらまし、批判を受けている。会社が「空っぽ」の状態だったはずの昨年、66億ウォンの配当を受け、「食い逃げ」を巡る議論も起きている。彼が住んでいるソウル江南区鋻潭洞(カンナムグ・チョンダムドン)のマークヒルズは、3.3平方メートル当たり1億ウォンを超える韓国内最高価格のマンションだ。会社の資金で購入して、本人が住んでいる。典型的なモラルハザードだ。国内外から賛辞を受けていたベンチャー企業家が、実は、違法や詐欺の達人だったなどとは、後味が悪い。

◆公企業や各国策銀行も情けない。保証をした貿易保険公社や融資をした銀行各行は、モニュエルの書類のみ信じて、なんら確認もしなかった。モニュエルの主要取引銀行だったウリ銀行が、現金の流れに異常さを感じ、昨年、全ての融資を回収したものと比較される。特に、企業(キオブ)銀行や産業銀行、輸出入銀行などの国策銀行は、大金をつぎ込んでいる。国民の税金の支援を受ける国策銀行が、主に「馬鹿」を見たことになる。書類操作に関わった関係者はいないか、輸出金融支援体系の問題はなんなのか、徹底的に調査しなければならない。

申然鐏(シン・ヨンス)論説委員 ysshin@donga.com