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[オピニオン]車勝元と息子

Posted October. 08, 2014 03:45,   

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「ノアは、心で生んだ息子」。映画俳優の車勝元(チャ・スンウォン)が、息子のノアの実父と主張する男から、1億ウォン相当の損害賠償訴訟を起こされると、口にした言葉だ。ノアは、22年前の結婚当時、妻の連れ子だが、車勝元は、実の息子と同様に、真心をこめて育てた。ノアが昨年、未成年者性的暴行容疑で、物議をかもした時も、車勝元は、「父親として、道義的責任を感じる」と、代わって謝罪した。(その後、チャ・ノアは、容疑無しの判決を受けた)

◆モデル出身らしい完璧なビジュアルの持ち主の車勝元は、複数の映画に出演したが、日の目を見たのは、「新羅(シルラ)の月夜」や「光復節(クァンボクジョル)特使」などのコミックジャンルだった。男性ホルモンのテストステロンを噴き出す素敵な男の「滑稽なキャラクター」に、ファンたちはお腹を抱えた。彼が有名になったもう一つの理由は、20歳で結婚した「品切れ男」ということだ。車勝元の妻のイ・スジン氏は、PC通信に、年下の有名男優を夫にした幸せな日常を掲載し、人気を集めた。

◆実父による損害賠償訴訟について、ネットユーザーらはあっけに取られている。権利を主張するためには、義務も果たすべきだが、養育費を一度も払ったこともないのに、いまさら、実父として名誉が傷つけられたなんて、とんでもない。むしろ、車勝元が、実父に、養育費訴訟を起こして当然な気がする。車勝元も認めたように、イ氏が、「些細なうそ」をついたことも、俎上に上っている。わざわざ、明らかにしたくないかも知れないが、いずれにせよ、イ氏は、1999年、エッセイ集「年下の男と一緒にいざこざの中で生きること」のなかで、自分の離婚経歴については触れず、車勝元をノアの実父かのように描いた。

◆「車菩薩の誕生、人生こそドラマ」。「ノア、親孝行しなきゃ」。役者としての車勝元のイメージが打撃を受けてもよいはずだが、かえって、人柄への賛辞が殺到している。20歳は、家庭を作って、妻の連れ子の幼い息子の父親の役割まで果たすのは、容易でない歳だ。にもかかわらず、彼は、出生の秘密を抱えている息子を、愛情で守った。昨年、蔡東旭(チェ・ドンウク)元検察総長は、最後まで実父であることを否定したこととは対照的だ。産みの情に引けをとらない育ての情を、「そして父になる」という映画のワンシーンのように、車勝元が見せてくれた。