Go to contents

[オピニオン]李健熙会長の「空白」の中の三星の危機

[オピニオン]李健熙会長の「空白」の中の三星の危機

Posted October. 04, 2014 03:16,   

한국어

三星(サムスン)グループは、7日に予定された三星電子の第3四半期(7〜9月末)の業績発表を控え、重苦しい空気が漂っている。三星電子の第3四半期の営業利益の予測値は、8月末の7兆ウォンから先月下旬は5兆5000億ウォンへと激減した。最近は、4兆ウォン前後にまで墜落したという見方も出ている。正確な数値は3日後、ふたを開けなければ分からないが、衝撃的なレベルの業績悪化は、既成事実として受け止められている。

◆三星電子の第2四半期の営業利益は、2年ぶりの最低値の7兆1900億ウォンだった。そのときまでは、会社側は、「下半期は業績が好転するだろう」と慎重に楽観した。しかし、状況が日々悪化し、大規模な問責人事や構造調整説も取りざたされている。三星の下半期の大卒者の新規採用が大幅に減るという報道まで出てくると、グループ広報責任者の李濬(イ・ジュン)専務は1日、「下半期の採用規模は特に変っていない」と、鎮火に乗り出した。

◆あいにくなことに、三星の今回の危機は、5ヵ月間の長期闘病中の李健熙(イ・ゴンヒ)会長の経営不在と時期的に重なっている。李会長が健在だったとしても、三星電子のスマートフォンの国際競争力の悪化や中国情報技術(IT)の躍進などの悪材料を食い止めることができたかどうかは分からない。しかし、常に勝ち続ける企業のイメージの強かった三星の危機が、李健熙会長の「空白」という変数とあいまって、李会長に代わって、経営の責任を負っている李在鎔(イ・ジェヨン)副会長の重圧感はなおさら大きいだろう。

◆李会長の病気がやや好転し、三星側は、李会長を病院から自宅に移して治療することを検討している。しかし、退院しても当面、経営への復帰は難しいという見方が大半を占めている。起業ほど難しいといわれている守成や跳躍を成功させた氏の快癒は、三星家だけでなく、揺らいでいる韓国経済のためにも望ましい。このように、厳しい時ほど、三星の次世代リーダーの李在鎔副会長が、並ならぬ覚悟で、危機克服のリーダーシップを見せてくれるよう、期待している。韓国には、三星、現代(ヒョンデ)自動車、SK、LGなどの大手企業を揺さぶりたくてしようがない勢力もなくはないが、大手企業各社が揺らぐことになれば、最も大きな被害は、我が国民に回ってくる。

権純活(クォン・スンファル)論説委員 shkwon@donga.com