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[オピニオン]中国の「偽物犯罪」不感症

[オピニオン]中国の「偽物犯罪」不感症

Posted September. 02, 2014 10:13,   

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国内で60万ウォンもする三星(サムスン)のギャラクシーS5を、中国上海の電子卸売り商店街では、800〜1000人民元(13万〜16万ウォン)で買うことができる。本物との見分けが難しい偽物のスマートフォンだ。外観だけが同じわけではなく、ソフトウェアまで全てコピーし、電話とインターネット利用にはあまり支障がないほどだという。偽の部品を使っているため、当然品質は落ちる。

◆中国は、「偽物天国」だ。北京の紅橋など、大都市の贋物市場は、海外からの観光客らが立ち寄る名所となっている。偽物の種類は想像を絶するものがある。ルイヴィトンやプラダなどの海外有名ブランドはもとより、化学薬品で偽の食べ物まで作る。偽物の酒、偽物の大豆、偽物の卵、偽物の牛乳など、その種類は数えきることができず、「人間を除き、全て偽物を作る」といわれるほどだ。韓国も10年前までは、先進諸国の間では悪名高い「偽物共和国」だった。今は、恐るべき中国の「偽産業」の被害を心配することになり、隔世の感がある。

◆電子製品や自動車、鉄鋼、ロックアンドロック(密封容器)まで、韓国製品を真似して作った数々の偽物が中国で溢れているのに、韓国政府や企業各社はなすすべがない。偽物を作るメーカーを相手に、法的訴訟でも起こせば、中国人らの反韓感情を刺激するのではないか、気になる。中国政府は01年、世界貿易機関(WTO)に加盟後、偽物を取り締まるかのように見えたが、いまだそのふりばかりだ。「許三観賣血記」で有名な小説家・余華は、「貧しい人たちが、自分の本の海賊版を読んで慰められれば、知的財産権など問題にならない」というコラムを、昨年、米紙ニューヨークタイムズに投稿した。偽物への中国人の考え方がどうなのかを知る事例だ。

◆中国の偽物製造技術は、目覚しく発展した。10年前までは、粗悪で一目で分かるぐらいだったが、今は、本物に近いレベルによって、A、B、C級を自由自在に作る。一部の製造業やインターネット企業は、その規模やサービスの面で、すでに我々を追い越している。中国は昨年、国際特許出願件数が、ドイツを抜き、米国や日本に次いで世界3位に躍り出た。偽物だけでなく、中国の本物製品を恐れるべき日も、徐々に迫っている。

申然鐏(シン・ヨンス)論説委員 ysshin@donga.com