金秀昶（キム・スチャン）前済州（チェジュ）地検検事長のわいせつ行為の有無を明らかにする国立科学捜査研究院（国科捜）の結果が近く発表される。警察とメディアが確保した防犯カメラの映像では、金氏と見られる人物のズボンのジッパーが開いているのが確認された。国科捜は、映像の人物の身長と歩幅が金氏と一致するか把握し、同一人物かどうか判断する。
◆セモグループ元会長の兪炳彦（ユ・ビョンオン）容疑者の最後の行動も防犯カメラによって再構成されている。警察が公開した映像によると、５月２８日午前３時頃、兪容疑者と推定される人物が道を徘徊する姿が近隣レストランの防犯カメラに映り、翌日午前１１時、この人物が警察のバスを見て慌てて方向を変える様子がレストラン近くの工場の駐車場の防犯カメラに映っていた。３０分後に撮られた工場裏の防犯カメラには、この男が歩いていく姿が映っていた。この防犯カメラは、兪容疑者の遺体が発見された全羅南道順天（チョンラナムド・スンチョン）の梅畑から５分の距離にあった。この映像によって、兪容疑者の自然死が妄説であることが力を得た。
◆最近は、車の接触事故が起きても争う必要がない。車両用ブラックボックスが事故現場の全てを語ってくれるからだ。グーグル・グラスは人用のブラックボックスと言える。このメガネを着用すれば、写真とリアルタイムの動画撮影が可能で、目的地の方向やメッセージがメガネのスクリーン上に出てくる。相手の顔を見るだけでも、その人の個人情報が出る機能もある。このメガネを試験的にかけた人が世界で１万人を超える。
◆ジョージ・オーウェルは、１人１人の生活を統制・監視する巨大権力機構としてビッグブラザーを語ったが、現代版ビッグブラザーは防犯カメラだ。金氏の事件で分かるように、防犯カメラには多くの長所がある。犯人の検挙に役立つだけでなく、犯罪を予防する効果も大きい。防犯カメラの存在だけで犯罪が減るというから、防犯カメラこそ最高の警察と言っても過言ではない。しかし、監視社会の到来は必然的に個人のプライバシーを侵害する。にもかかわらず、人々が防犯カメラを望むのは、安全に対する不安がより大きいためではないだろうか。
鄭星姫（チョン・ソンヒ）論説委員shchung＠donga.com
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