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「オピニオン」 100数ヶ国の「数学オリンピック」

「オピニオン」 100数ヶ国の「数学オリンピック」

Posted August. 12, 2014 03:47,   

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金融界で、「クアント」と呼ばれ、高額年収を受け取っている計量分析家らの元祖は、米国のエドワード・ソープだ。数学科教授出身の彼は、1975年、ファンドを造成した後、数学方程式などを利用して、資金を運用しながら年平均15%の収益を上げる気炎を吐いた。その後、数学専攻者らが、ニューヨークのウォール街に進出し、文系出身者が主導していた世界の金融界に、地殻変動を引き起こした。

◆数学の応用分野は、日々広まっている。米プロ野球・オークランドチームのビリー・ビン団長が、さまざまな統計を活かして、低い年収の選手達を使い、「富豪球団」を相手に、高い勝率を上げたのも、数学の力が大きかった。映画「マネーボール」が、彼の成功物語だ。警察の捜査で、防犯カメラ(CCTV)に映ったかすかな映像を基に、犯人を探し出すのも、微分幾何学を活用したおかげだ。数学が大幅に発達していた古代エジプトのパピルスの文献には、「数学は、あらゆる知識の扉に入るカギ」とかかれている。数学を巡る3500年前の定義が実感できるこの頃だ。

◆高い必要性にもかかわらず、一般の人たちが数学を難しく受け止めているのは、世界どこでもあまり変わらない。特に韓国の場合、国内数学界のレベルはまだ低い上、数学発展の未来指標といわれている数学の大衆化の面でも、大変物足りないのが現状だ。4年ごとに開かれる「数学のオリンピック」であり、13日ソウルで開幕する世界数学者大会は、現状打開の転換点にするに値する。

◆100数ヶ国、5000人あまりの数学者が参加する今大会では、数学の天才らに直接会うことができ、さまざまな講演を通じて、数学が実生活にどれほど身近なものなのか、把握できる。数学を体系化した古代ギリシャのプラトンは、自分が設立した教育機関・アカデミアの正門に、「幾何学を知らぬ者は、入るべからず」という文を掲げた。プラトンや現代数学者らが、一般人に強調するのは、数学の知識ではなく、数学的考え方だろう。韓国社会の不条理で矛盾的な出来事も、数学的マインドが根を下ろせば、よりうまく解決できるだろうという気がする。今大会が、そのような方向に貢献することを願う。

洪贊植(ホン・チャンシク)首席論説委員 chansik@donga.com