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[オピニオン]富裕な共産主義者

Posted August. 11, 2014 07:41,   

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共産主義は、資本家を敵と見なし、貧しい人々の中に入り込んだ。共産主義を唱えた主役の中には、自分が属する社会的階級と身分から脱した人も少なくない。マルクスは法律家の家に、エンゲルスは紡織工場を経営するプロテスタント企業家の家に生まれた。2人はブルジョアで、裕福で安楽に暮らせたが、物質よりも理念にひかれた。ロシア革命を率いたレーニンは、奨学士まで務めた教育者の息子だった。

◆中国共産党の軍隊である紅軍の総司令官を務めた朱徳は、中国南部の地域で名をはせた軍人であり、腐敗官僚だった。賄賂を受け取り、アヘンにおぼれ、妻や愛人のために宮廷のような家を建てて暮らした。金と女、地位、名誉など全てを手にしたが、読書が好きだった朱徳は、本を通じて中国の後進性に関心を持った。朱徳は、妻や愛人を残し、アヘンと手を切って、革命家の道を進んだ。1930年代、中国共産党の最大試練だった大長征の時代に、彼は裸足で駆け回り、兵士と同じように草の根とカボチャで空腹を満たした。

◆権力は真夏の魚のように腐敗しやすい。大きくても小さくても腕章をはめれば、多くの誘惑に遭遇する。一度目をつぶれば財布が分厚くなるので、意志が強くなければ、腐敗の輪に取り込まれ、現実を言い訳に理性を捨てるのが常だ。平等を叫んだ共産国家の指導者の中で、権力の座に上った後、特権や贅沢、享楽におぼれ、国民の膏血を絞り取るのに没頭する人が少なくないということは、革命のアイロニーだ。

◆中国の習近平国家主席の反腐敗ドライブに、周永康・前政治局常務委員が引っかかった。周永康が犯した「深刻な規律違反」は、収賄、政変企図だという。彼に追従して利権を得た勢力も共に没落している。建国後、政治局常務委員を腐敗容疑で処罰した前例がない中国で、習主席が「トラ狩り」に乗り出したことで、法治に対する期待も高まっている。不当に蓄積した財物のために戦々恐々とする権力者が少なくない。

韓起興(ハン・ギフン)論説委員 eligius@donga.com