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[オピニオン]中国の「麻薬との戦い」と韓国人

[オピニオン]中国の「麻薬との戦い」と韓国人

Posted August. 08, 2014 03:26,   

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英国は産業革命後、貿易赤字の解消のために18世紀始めから中国にアヘンを密輸出した。初めは東インド会社を使い、後に政府が直接介入した。そして、大々的に取り締まりを行った中国(清)と戦争が起こる。アヘン戦争(1840〜1842)で敗れた中国は、最初の近代的不平等条約である南京条約を結び、英国に香港を渡し、5港を開放する。その後、米国、フランスなどの国々とも同様の条約を結び、中国は西欧列強に蚕食される。

◆アヘン戦争は、中国人にとって拭うことのできない恥辱の歴史だ。その後、アヘンの合法化で多くの中国人が麻薬中毒者に転落した。共産化直前の1948年、中国の麻薬中毒者は全人口の15%(8000万人)にものぼった。共産党政権後、大々的な取り締まりによってほぼ消えた麻薬の流通が、改革・開放後に再び増え、今年4月を基準に麻薬中毒者が公式で258万人、非公式の推定で1000万人に達するという。中国政府が「麻薬との戦い」を行う理由は理解できる。

◆中国は、アヘンの場合1キロ以上、ヒロポンやヘロインは50グラム以上、製造、密輸、運搬、販売をしても、最低でも15年以上の懲役、最高では死刑に処される。昨年だけで16万8000人余りの麻薬犯が逮捕された。外国人でも容赦はない。この5年間、日本人とフィリピン人各5人、英国人とパキスタン人各1人が死刑となった。韓国人は2001年の1人に続き、今月6日に2人、7日に1人、死刑が執行された。現在、中国には韓国人麻薬犯80人余りが収監されており、一部は1審で死刑が言い渡された。彼らは、北朝鮮で製造した麻薬を国内に持ち運ぼうとして逮捕された。

◆韓国国民が他国で死刑に処されたことは残念だ。過去、英国の首相、フィリピンの大統領まで出て、自国民に対する善処を訴えたが、中国は動じなかった。それでも政府は、自国民の保護に最善を尽くさなければならない。麻薬犯に対する死刑執行が行き過ぎだという点を国際社会とともに喚起させる必要もある。

李進寧(イ・ジンニョン)論説委員jinnyong@donga.com