Go to contents

[オピニオン]三星電子がベトナムに行った理由

[オピニオン]三星電子がベトナムに行った理由

Posted July. 15, 2014 03:02,   

한국어

ベトナム・ハノイ北西側のバクニン省の三星(サムスン)電子のベトナム工場には、2万4000人のベトナム人従業員が働いている。社内食堂で食事をする従業員は、片手にはスプーンを、別の手には、箸を手にしている。両手で食事をするため、スピードも速い。手先の器用なベトナム人たちは、携帯電話を作る作業を、素早く身につける。

◆三星電子は08年、慶尚北道亀尾(キョンサンブクド・クミ)の携帯電話の事業所を拡大する案と、海外に工場を新設する案の二つについて検討した末、最終的にベトナム進出という結論を出した。ベトナムの人件費は安い。高卒の女性従業員の1ヶ月の給料(残業手当てを含む)は、ベトナムが353ドル、韓国(3715ドル)の10分の1にも満たない。

◆この会社は12年、ベトナムで1万9665人の生産職社員を採用した。同期間、亀尾工場の採用人数はわずか175人だった。工場周辺の200キロ内の慶尚道や全羅道(チョンラド)、忠清道(チュンチョンド)で、高校卒業生を募集するが、その大半が、工場での仕事を大変嫌う。就職希望者らは、ソウル方面を希望し、業種も、サービス業をより好むという。事情がこうだから、なぜ、海外に出て行くのかと、企業を責めるわけにもいかない。業務の熟練スピードは、最初は、韓国人労働者のほうが速いが、ベトナム人職員も、3ヶ月が過ぎれば、同じくらいになるという。冷房施設の整っている工場が、自宅よりはるかに涼しく、職員らはもっと残業させてほしいと、ねだることもあるという。

◆ベトナム政府は、三星電子に工場敷地34万坪を、無料で提供した。法人税は4年間、1ウォンも払わず、その後12年間は5%、それから34年間は10%で済む。韓国(22%)とは比べ物にならない。輸入関税や付加価値税は免除、電気・水道・通信費は半分だ。政府が統制するため、組合がストに突入しても、4時間で大半が終わる。ベトナム政府は、2万余人に確固たる職場をプレゼントした韓国の大手企業に感謝している。三星電子は、ホーチミンに1兆ウォンをかけて、家電工場の建設を進めている。サッカーグラウンド100個分のサイズだ。ビジネス環境を改善しようとはせず、大手企業の愛国心だけに訴えるには、世界はあまりにも身近になっている。−ハノイから

崔永海(チェ・ヨンへ)論説委員 yhchoi65@donga.com