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[オピニオン]継続する洪明甫の義理サッカー

[オピニオン]継続する洪明甫の義理サッカー

Posted July. 04, 2014 09:34,   

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2002年韓日W杯が終わった直後に洪明甫(ホン・ミョンボ)選手をインタビューしたことがある。選手団の長兄としての洪選手の言葉には、意外とヒディンク監督に対する反感が滲んでいた。彼は、ヒディンク監督が非生産的な先輩と後輩の関係を打ち砕いたと評価されていることについて、「元々サッカー競技場では、後輩たちも度々自分のことを『ホンミョンボ、ホンミョンボ』と呼んでいた。しかし競技場の外では、先輩に対する礼儀をきっちり守るよう後輩たちに教えた。この原則は、ヒディンク監督が就任する前と後で変わっていない」と話した。

◆記者は、「この人は選手としては良いけど、監督になっては駄目な人だな」と思った。ヒディンク監督は、単に競技場の中では先輩後輩の関係を無視しても良いと教えたかもしれないが、それは競技場の外にも影響を与えた。逆に洪氏は、あの時も今も競技場の外では先輩に礼儀正しく向き合うことだけを後輩たちに教えたかは知らないが、グラウンドの中にも影響を与えた。グラウンドの中と外は、そんなに明確に区別されるものではない。その微妙なところが分かっていない人に監督がうまく務まるはずがない。

◆サッカーをしてみた人なら、グラウンドの中では実力だけが物を言うことを知っている。2002年の韓国代表で最年少だった朴智星(パク・チソン)が務めた役目を、今度は最年少の孫興民(ソン・フンミン)が果たすべきだったが、そうならなかった。ヒディンク氏がどうにか築いてくれた「実力サッカー」の土台が、洪氏の「義理サッカー」によって完全に消えてしまったからだ。洪氏がベンチを温めているだけだった朴主永を信頼したこと自体、幸運に頼っていたことに他ならない。しかも朴主永は後輩たちにはどうにもならないグラウンドの中の長兄だった。

◆大韓サッカー協会が洪明甫の監督留任を決めた。洪氏はヒディンク氏から一つも学ぶことができなかった。洪氏は、ヒディンク氏が李東国(イ・ドングク)を落としたように、朴主永(パク・ジュヨン)を切り捨てることができなかった。ヒディンク氏のように、朴智星(パク・チソン)、宋鍾国(ソン・ジョングク)のような実力のある選手を発掘することも知らなかった。「一か八か」の勝負の世界で、ヒディンク氏はDFを外してFWを入れる度胸で逆転したが、洪氏には監督の存在感を感じるほどの戦略がなかった。何よりも、アルジェリアがロシアより強いことさえも知っていなかった。そんな監督が率いる「義理サッカー」のシーズン2を来年1月のAFCアジアカップまで見なければならなくなった。

宋平仁(ソン・ピョンイン)論説委員 pisong@donga.com