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[オピニオン]文人らの北朝鮮人権宣言

Posted July. 02, 2014 04:18,   

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今年5月、米ペンクラブは、中国の少数民族政策を批判したウイグル族の経済学者・イルハム・トフティに、「2014年のペンクラブ著述自由賞」を授与した。投獄されたトフティの代わりに、娘が出席した授賞式で、サルマン・ルシディなどの著名作家らは、声高にトフティの釈放を呼びかけた。ウイグル族とはなんら関係のない米文人らが、彼への支援に乗り出したのは、人権問題には民族や国境の垣根があるはずが無いからだ。

◆トルコ作家のオルハン・パムークは話した。「1人の作家でも自由でいられなければ、いかなる作家も自由にはいられない」。韓国文壇では通じない言葉だ。北朝鮮は、どれほど多くの作家らが迫害を受け、投獄されたのかすら分からない国だが、わが社会で進歩を自任する詩人や小説家らは、言及自体をタブー視してきた。この地で繰り広げられている些細な人権侵害については、「闘士」を名乗りながらも、北側の途轍もない人権蹂躙の前では、全く何も言おうとしなかった。

◆文壇の長い沈黙を壊そうとしている兆しなのか。昨日行われた「脱北文学セミナー及び南北文人の詩朗読会」で、文学評論家のソウル大学の方鏜昊(バン・ミンホ)教授は、自分が作成した「文学人の北朝鮮人権宣言」の素案を読み上げた。皆、知らない振りをし、何もしようとしないことを試みたのだ。宣言の冒頭はこうだ。「我々はいよいよ、文学人らが、北朝鮮で起きている出来事について、これ以上沈黙してはならないと宣言せざるを得ない。なぜなら、今、この問題に背を向けるのは、言葉の存在で新しい現実を作っていかなければならない文学人の義務を、無残に見捨てることであるからだ」。

◆北朝鮮を訪問した文人らが多い。彼らは、個人的な席で、北朝鮮の悲惨な現実を嘆きながらも、公には沈黙を貫いている。文人らの間で、北朝鮮の人権問題を提起すれば、苛めにあうのが我々の現実だ。北朝鮮の人権を言及するのに、政治的進歩や保守の区分などありえない。「地上の地獄」で生きている北朝鮮人たちに背を向け、沈黙するのは、文人としてだけでなく、人間の道理でもない。統一後、北朝鮮の住民が、「我々の苦痛になぜ沈黙したのか」と、文人らに尋ねたら、なんと答えるだろうか。

高美錫(コ・ミソク)論説委員 mskoh119@donga.com