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[オピニオン]黄鉊瑛の「気の荒い妻」

Posted April. 11, 2014 03:49,   

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作家の黄鉊瑛は8日、英国ロンドンの図書展で、「文学と歴史」というテーマで講演を行ったところ、このような話をした。「私は気の荒い妻と一緒に暮らすことのように、いつも歴史の重圧感に悩まされ、それを作品に書かなければという負担があった」作家の歴史的責任を気の荒い妻と暮らすことに喩えるのはめったにないことだ。黄鉊瑛が実際、気の荒い妻と暮らしてみたからそのような話をするのではないかと思うのも無理ではない。

◆黄鉊瑛の最初の妻は、小説「旗」を書いた作家、ホン・ヒダムだ。離婚した後も同志のように付き合うのを見ると、気の荒い妻ではなさそうだ。今一緒に暮らしている女性は、黄鉊瑛がドラマの台本「チャンギルサン」を執筆する時アシスタントを務めた20年年下の放送作家だ。黄鉊瑛はこの放送作家のため。在米舞踊家出身の2番目の妻人と離婚訴訟まで起こしている。彼の気の荒い妻が誰だったか知らないが、気の荒い妻と暮らすのがどれほど大変で、歴史の重圧感に喩えたのかと思うと笑いが出る。

◆ソクラテスの夫人のクサンティッペは歴史上最も有名な悪妻だ。ソクラテスは、ソフィストと違って、講義料ももらわずに教えた。金を稼いでこない年老いたソクラテスに30年以上年下のクサンティッペが水を浴びせたのも理解できる。誰かソクラテスに妻について聞いたら、「馬に乗るためには荒い馬に乗って習うことだ。その女に耐えられると、天下に耐えられない人は誰もいない」という答えが返ってきたという。

◆気の荒い妻は英語で「shrewish wife」だ。シェイクスピアの戯曲「じゃじゃ馬ならし(Taming of the Shrew)」は「気の荒い女ならし」に翻訳した方がさらに正確だ。シェイクスピアは主人公のキャサリンを「クサンティッペより勝るとも劣らない女」と表現する。黄鉊瑛の気の荒い妻は韓半島の半分の北朝鮮を意味するかも知れない。北側の気の荒い妻とは現実の妻と違って離婚するわけにもいかない。ならすのも簡単でない。分断国に住む作家の複雑な心境を吐露したのではないかという気もした。

宋平仁(ソン・ピョンイン)論説委員 pisong@donga.com