[オピニオン] サイエントロジー
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JULY 03, 2012 07:56.
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今年3月、全羅北道扶安(チョルラプクト・プアン)で2人の娘を殺害した母親が「機械教」を信仰していたことが分かり、衝撃を与えた。クォン容疑者(38)は、「システム(機械)」を信じれば裕福になれるという教理にはまり、携帯電話のメールで伝えられる荒唐無稽な指示に従って、2人の娘を殺してしまった。クォン容疑者にでたらめな教理を教え、猟奇的な指令文を送ったのは、娘の友人の母親だった。クォン容疑者は、自分で判断できない依存性性格障害の可能性が疑われている。機械教は一見、世界中に信徒がいるサイエントロジーの流派のように見えるが、実在しない詐欺宗教だった。世の中には、無知と恐怖を栄養にして繁盛するインチキ宗教が多い。
◆米モンタナ州出身のSF小説家、ロン・ハバードが創始したサイエントロジーは、科学技術が人間を救い、人類が直面した麻薬、戦争、犯罪などの問題を解決すると主張する。ハバードのホームページによると、彼は、コンピュータの概念が本格的に登場した1954年、フィラデルフィアのある研究所を訪れた時、この宗教のインスピレーションを得たという。サイエントロジーは、「セイタン」と呼ぶ精神生命のエネルギーを利用して、体の悪い症状を治癒できると盲信する。
◆この宗教が有名になった理由は、ハリウッドのトップ俳優、トム・クルーズのためだろう。アルコール依存症の父親から虐待を受け、幼い頃から家長として生きてきたトム・クルーズは、台本が読めないほどのひどい失読症の学習障害を持っていた。彼は、最初の夫人のミミ・ロジャースの父親から失読症を克服する方法を学び、この宗教に入信することになった。ロージャスの父親がサイエントロジーの信徒だったのだ。年を取っても格好良く、誠実なトム・クルーズが、サイエントロジーのために再び離婚の危機に直面した。
◆トム・クルーズの3番目の夫人ケイティ・ホームズが、娘にサイエントロジーを強要する夫との間であつれきが生じ、離婚を申請した。ハリウッドのおしどり夫婦だったが、子どもに「得体の知れない」宗教を強要することだけは耐えられなかったようだ。サイエントロジーは米国、英国、ドイツ、フランスなどで多くの信徒を獲得しているが、一部の国家では不法団体に規定され、活動の制約を受けている。神の存在を否定し科学技術を信奉することが宗教だとは、一見矛盾しているようにみえる。サイエントロジーは、科学技術文明が力を伸ばした現代社会の複雑性と人間の不完全性を考えさせる。
鄭星姫(チョン・ソンヒ)論説委員 shchung@donga.com