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[オピニオン]文化部の人事回し

Posted June. 16, 2008 05:54,   

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ろうそく集会を主導している運動勢力は、「文化の力」で確実にリードしている。「大韓民国は、民主共和国だ」で始まる歌をまずかけて、デモ参加者の一体感を誘導し、大衆歌謡で徐々にムードを高める。デモに文化を結合させて、大衆の興味を引き出すやり方だ。これに比べて、李明博(イ・ミョンバク)政府は、他の点は別にして、文化的な面では脆弱という印象が濃い。硬くて単調な産業化イメージが強いためかもしれない。新政府発足後、文化政策でもこれといった掌握力を見せず、今では無能な姿までさらしている。

◆最近、文化体育観光部は、傘下の芸術団体3団体の社長および団長の内定者を発表したが、このうち2人が途中下車した。「芸術の殿堂」の社長に金旻(キム・ミン)前ソウル大学音楽部学部長を内定したが、演劇・ミュージカル団体が反発すると、また一から人選手続きを踏むことにした。国立オペラ団団長内定者の作曲家・李永朝(イ・ヨンジョ)氏は、音楽界の一部が反対すると、辞退した。

◆芸術の殿堂の場合は、度が過ぎた。もともと、候補4人の推薦を受けて、適任者を選ぶ計画だった。推薦委員会を構成して、当事者の意思は聞かず候補者リストを作り、候補者に接触した。3人が断った。残った1人、すなわち金旻氏は、昨年、芸術の殿堂の社長公募で3位になった人物だ。こうなれば、常識から言って、手続きを再度踏まなければならないが、どうしたことか、残った人物をそのまま内定した。説得力がない人選だった。

◆国立オペラ団問題は、作曲家出身が団長に内定され、声楽家たちが反対したことで始まった。彼らの間の古い葛藤が背景だというが、人選に先立ち、音楽界に手回しをしていなかった文化部も責任が重い。文化部の庁舍は、ろうそくデモが起こる光化門(クァンファムン)の近くにある。現政府の人事の失敗が一つの原因となったろうそくデモを目と鼻の先で眺めながら、同様の過ちを繰り返した格好だ。文化競争で後れをとることは、政権次元でも単純なことではない。イタリア共産党をつくったアントニオ・グラムシのヘゲモニー理論によると、文化を主導する勢力は、大衆の自発的同意を得ることができる。現政府は、「左派政権10年」のせいばかりにせず、「文化を学ぶ」ことに乗り出さなければならない。

洪賛植(ホン・チャンシク)論説委員 chansik@donga.com