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[オピニオン]和氏之璧

Posted January. 23, 2006 03:24,   

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中国の楚の国の人、和氏は、磨かれていない名玉を楚の﨤(れい)王に献じたが、ただの石と鑑定され、左足を切り落とされた。和氏は、その後即位した武王にこれを再び献じたが、今度は、右足を切り落とされた。その後文王が即位し、和氏は玉の固まりを抱いて3日間、血の涙を流した。理由を問う王に彼は、「宝玉を石と言い、正直なソンビ(学者)を詐欺師と言うことが、悲しくて泣くのです」と答えた。王は、玉を磨いて宝玉を手に入れ、「和氏之璧」と呼んだ。韓非子に出てくる話だ。

◆和氏之璧はその後、趙の恵文王の手に渡った。これを欲した大国の秦の昭襄王は、自国の15の城と交換したいと申し入れた。実際は城を渡さずに、宝玉だけを手に入れる考えだった。秦に向かった趙の藺相如はこれに気づき、玉にきずがある所を教えると言って、「何のきずもない」和氏之璧を密かに自国に持ち帰った。「完璧」という言葉の由来である。

◆黄禹錫(ファン・ウソク)教授の論文ねつ造の真実究明を求める若い科学者の会である生物学研究情報センター(BRIC)のホームページの「ソリマダン」コーナーに19日、「論文と足」という文章が書き込まれた。IDがjokeという筆者は、18年前に修士論文を書いた時、指導教授が、「論文は足を切られる覚悟で書かなければならない」と言った事実を思い出し、自省した。「すでに出版された論文で誤字を発見し、見逃した参考文献を投稿後に発見したこともあった。玉にきずがあって足を切られるなら、私は手まで切られることだろう。」

◆黄教授を支持するネチズンら2500人が21日、ソウル光化門(クァンファムン)市民広場でキャンドル集会を開いた。黄教授が、完璧で真実の論文を書いていたなら、人々が彼の研究に未練を捨てられずに、寒い中、これほどまで苦労しなくても良かったはずだ。「和氏之璧」と「完璧」は、科学徒たちが胸に深く刻まなければならない故事である。

韓起興(ハン・キフン)論説委員 eligius@donga.com