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9年間66兆ウォン、大失敗に終わった少子化対策

9年間66兆ウォン、大失敗に終わった少子化対策

Posted December. 02, 2014 08:09,   

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韓国政府の「10年間の少子化対策」は失敗に終わったというのが、多くの専門家の評価だ。

韓国で少子化問題が注目され始めたのは02年。新生児の数が初めて50万人を切り、49万人を記録したときだった。このときから合計特殊出生率(一人の女性が一生の間に生むと予想される子どもの平均数)は、「超低出産」と言われる1.3未満に落ち込んだ。

政府は05年6月「少子高齢化社会基本法」を制定した。06年関連予算2兆1445億ウォンを投入したのを皮切りに、今年14兆8927億ウォンに至るまで、少子化解消のため9年間に渡って66兆ウォンを費やした。しかし13年の合計出生率は1.19へとさらに低下した。

このように少子化対策が失敗した理由として、専門家らはコントロールタワーの不在を挙げている。政府は05年9月、大統領直属の「少子高齢化社会委員会」を発足した。委員会は大統領を委員長とし、当時の財政経済部、教育部、文化観光部、女性部など12省庁の長官と民間専門家12人の24委員で構成された。

委員会は李明博(イ・ミョンバク)政権時代の08年保健福祉部所属に格下げされ、12年5月再び大統領直属になったが、活動は消極的だった。現政権に入り、委員会は政府引継委員会時代の昨年1月に1回開催されただけで、事実上「休業状態」と言える。

人口学会の金ハンゴン会長(嶺南大学社会学科教授)は、「日本では専門担当大臣が少子化対策を総括している」とし、「自治体と中央政府に分散した政策機能を結集する必要がある」と指摘した。日本は07年、韓国の長官級に当たる少子化対策担当大臣を新設した。

政策策定の過程で、フランスやスウェーデンなど西洋の事例だけをベンチマークしたのも失敗の原因として挙げられる。これらの国の場合、同棲などによる婚外出産の比重が高いのに対して、韓国は結婚をしてから子どもを生むのが一般的だ。結婚の奨励と初婚年齢の引き下げに政策の焦点を当てるべきだが、これまでは結婚家庭の出産支援に集中してきたという指摘だ。

ソウル大学保健大学院のチョ・ヨンテ教授は、「晩婚化とこれによる高齢出産で、第2子を生み難い構造になっている」とし、「初婚年齢を引き下げ、結婚を促すための積極的な支援策が求められる」と述べた。

韓国社会の綿密な研究を通じて、現実的な政策を講じるべきだとの声も高まっている。江南(カンナム)大学教養学部の李ソンヨン教授(社会学)は「非正規雇用の比率の高い韓国で、仕事と家庭の両立は絵に描いた餅に過ぎない。女性はなおさらだ。このような状況で、女性に就職を通じた自我実現だけを強調すれば、出生率の改善は期待できない」と分析した。