「不況の陰り」貧富の格差、さらに広がって史上最大

「不況の陰り」貧富の格差、さらに広がって史上最大. May. 22, 2009 07:14. peacechaos@donga.com. 世界同時不況と景気低迷のあおりを受け、昨年、韓国の貧富の格差が１９９０年以後、最も拡大したことが分かった。また、今年もこの格差はさらに広がる見通しとなった。 統計庁は昨年、韓国の都市世帯（１人世帯、農家は除外）の所得を分析した結果、ジニ係数が０．３２５で、０７年（０．３２４）より０．００１ポイント高くなったと発表した。これは統計庁が関連統計を取り始めた１９９０年以後、最も高い水準だ。 ジニ係数は所得がどれほど均等に配分されるかを示す数値で、０に近いほど平等に、１に近いほど不平等な所得配分が行われることを意味する。経済協力開発機関（ＯＥＣＤ）平均は０．３１１（０５年基準）で、一般に０．３５〜０．４を越えると、不平等の程度が深刻であると受け止められる。 韓国開発研究院（ＫＤＩ）のユ・ギョンジュン選任研究委員は、「一般に景気が低迷すると、貧富の格差は広がる傾向がある」とした上で、「最近は非正規職の仕事が減り、自営業者が減少するなど、景気低迷の影響が庶民に直接降りかかっているため、今年も貧富の格差はさらに広がるだろう」との見通しを示した。 韓国のジニ係数は１９９０年以後、０．２５〜０．２７の水準を維持していたが、通貨危機に見舞われた翌年の１９９８年に０．２９５、１９９９年に０．３０１に上がった後、昨年まで５年連続上昇した。 所得上位２０％の家計の平均所得を下位２０％の家計の平均所得で分けた「所得５分位倍率」も昨年６．２倍と、１９９０年統計作成以来、最も高かった。この倍率は１９９０年４．１４倍から１９９９年５．１３倍へ５倍を、０７年は６倍を上回った。 経済専門家は、景気低迷によって低所得層と零細な自営業者は直接的な打撃を受けている反面、これまで構造調整が本格化していない大企業の正社員と高所得層はあまり影響を受けていないため、昨年、貧富の格差が広がったものと分析した。 企画財政部の関係者は、「景気低迷で価格が下がった不動産、株式などを余裕資金を保有している階層が買い入れ、後で価格が急騰する場合、所得の不平等がさらに深まりかねない」とし、「政府が不動産など、資産価格のバブルの発生の防止に取り組む」と述べた。