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「危ない」から「見習うべき」に…権五奎氏の「スウェーデン福祉制度」評価

「危ない」から「見習うべき」に…権五奎氏の「スウェーデン福祉制度」評価

Posted July. 05, 2006 03:20,   

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▲「スウェーデン・モデル」に対する認識の変化〓副首相兼財政経済部長官に内定した権五奎(クォン・オギュ)氏は1991年、ある雑誌の論壇で「南米とスウェーデンが取った戦略の共通した特徴は、平等と福祉をほかのどの政権の目標より優先したことであり、その結果、ほとんどの国は不平等の深刻化と反福祉社会の道を着実に歩むことになった」と指摘した。続いて、「疎外階層の所得と福祉増進のための支出を経済能力以上に節制なく推進したため、物価上昇と失業率の増大、国際収支赤字の大幅な拡大を例外なく経験し、結局、経済成長まで低迷するようになったことによって、貧困層がさらに拡大する結果をもたらした」と付け加えた。

全体的な流れは、社会福祉制度の拡充は必要だが、スウェーデンのような無理な社会福祉支出は危険だという内容だ。そして15年後。OECD大使を務めていた時代、34ページ分量の権内定者の「スウェーデン福祉国家モデルと示唆点」と題された報告書は、内容が大きく違っていた。その代わり、「スウェーデンの福祉モデルは、全く違う背景を持っているほかの国に適用するには限界がある」と前提した上、スウェーデンから見習うべき点を詳しく指摘した。

権氏は、「改革を見送らず、持続的に微調整を重ねることによって、環境に引き続き適応していく(スウェーデンの)努力を見習わなければならない」とし、「特に、大きな政府を維持しつつ、福祉分野を中心に国民向けサービスを拡大して提供すべきだ」と指摘した。さらに、「福祉と成長の善循環を持ってきたスウェーデンのモデルは、成長と福祉の善循環構造を作り出す上で中核的な要素だ」と強調した。

▲「結果だけでのみを持って、話さないで」〓本紙はスウェーデン・モデルに対して認識が変わった理由を聞くため、権氏との接触を試みたが失敗した。権氏はその代わり、財政経済部のチェ・フン金融ハーブ協力課長を通じて、「報告書を間違えて解釈した」と釈明した。チェ課長が伝えた内容は次のとおり。

「スウェーデン・モデルの結果だけを持って、話さないでほしいという考えを(権氏は)示した。スウェーデンはそのような困難があったものの、どのように困難を乗り切ったのかという過程に注目すべきだというのが、(05年12月の)報告書の主旨だ。つまり、スウェーデン式の改革の前提条件になっていた絶え間ない変身と改革、国際化に対する積極的な対応、公共部門の透明性などを見てほしいということだ」

しかし、1991年当時はどんな背景からそのような認識を持っていたのか、そして、05年12月にはどうして認識が変わったのかに対する説明はなかった。

▲権氏の認識に対する評価〓権氏の認識変化について、西江(ソガン)大学の金廣斗(キム・グァンドゥ)経済学教授は、「置かれている立場が違うだけで、見方が変わることもありえるし、スウェーデンの状況も15年間で変わった」と前置きした上で、「社会福祉政策を間違えて実施した場合、南米のような状況に陥ることもあり得るので、就任前後に権氏の政策的な見方を検証してみる必要がある」と話した。

漢陽(ハンヤン)大学の羅城麟(ナ・ソンリン)経済学教授は、「盧泰愚(ノ・テウ)政権下の1991年には、1人当たりの国民所得2万ドルの達成が政権の国政目標であったし、現政権は『両極化解消を通じた同伴成長戦略』を掲げている。結局、大統領の方向に合わせるしかない行政官僚の属性を見せた」と指摘した。



witness@donga.com