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[オピニオン]牛乳が減った無料給食

Posted February. 23, 2012 07:45,   

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ソウル市教育庁が今年、小学校の無料給食の1食の単価を2580ウォンに策定した。昨年に比べて123ウォン上がったが、牛乳価格の値上がり分50ウォンを差し引けば73ウォン増に止まった。2580ウォンから人件費、管理費を差し引いた食材料費は2322ウォンだ。食料品価格は日々値上がりしているのに、この値段で伸び盛りの子どもたちをまともに食べさせることができるのか心配だ。ソウル市教育庁は、単価を上げるとエコ農産物を昨年の2倍に当たる60%以上使うよう指示した。学校では「わずか73ウォンを増額して割高なエコ農産物を2倍以上使えというのは、お肉のおかずをなくせというのか」と訴えた。エコ農産物が一般農産物に比べてどのくらい高いのかを把握した上で指示しているのだろうか。

◆ソウル市教育庁は、「牛乳の供給日を減らしたので123ウォンの単価引き上げ分は全額を食材料購入費に当てることができる」と報道資料を配った。今年の給食日数180日のうち、牛乳供給日を「160日以上」に減らしたため、牛乳代金の支出総額には変化がないというものだ。牛乳を減らして他のおかずを買えば良いという話に聞こえる。一種のたらい回し対策だ。

◆昨年から無料給食が拡大され、物価上昇が重なってから、全国の学校で給食の質の低下が表れている。韓牛1等級を使っていた学校がコストを耐えられず肉牛3等級を使っているところもあれば、有機栽培コメから一般コメ、有機栽培野菜から一般野菜に替えた学校も多い。一部の学校では「エコ有機栽培」のラベルが貼られたコメや野菜からも残留農薬が検出された。学校施設の保守費を給食費に転用するケースもある。結局、低所得層家庭の子どもたちは、全面的な無料給食のために、質の落ちる給食を食べさせられることになったのだ。

◆全面無料給食を実施していなければ、食材料価格が上がっても経済力のある保護者の給食費負担を増やして給食の質を保つことができた。外国でも、中間層以上家庭の子どもは、自腹を切ってご飯を食べている。ソウル市教育庁は2014年までに、中学校の全学年に無料給食を拡大する方針だ。限られた予算で対象を増やしていけば、給食いの質はさらに落ちるだろう。だからと言って公教育改善に向けた投資を差し置いて、給食予算だけを拡充するわけにもいかない。慎重でない福祉ポピュリズムの罠にはまっている。

李亨三(イ・ヒョンサム)hans@donga.com