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[オピニオン]モルモン教徒ロムニー

Posted February. 02, 2012 08:29,   

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米国の社会学者ライト・ミルズは1956年の著書「パワーエリート」で、「米国社会は少数のエリートが支配する社会」であると述べ、その多くが男性ワスプ(WASP)であると主張した。ワスプとは、「ホワイト・アングロサクソン・プロテスタント」を意味する言葉だ。彼らは、実際に20世紀中盤まで米国の200大企業の大半を掌握し、政治権力も彼らの専有物と見なされた。しかし、今ワスプは少数の利益独占集団を皮肉る言葉となった。

◆カトリック信者のケネディが、1960年に第35代大統領に当選したことは、ワスプの政治独占の終焉を宣言する衝撃的な事件だった。しかし、ケネディは選挙運動の期間中、「私はカトリックの大統領選候補ではなく、民主党の大統領選候補であり、たまたまカトリック信者であったにすぎない」と語り、宗教問題に飛び火することを敬遠する態度を取った。白人のホワイトハウス独占が崩れたのは08年だった。初の女性大統領を夢見たヒラリー・クリントンを破って第44代大統領になったオバマを米国のメディアは「黒いケネディ」と呼んだ。上院議員出身で40代で大統領になった共通点よりも、米国社会の「非主流」として権力の頂点に上った象徴性に注目した。

◆先月31日、米フロリダ州で行われた共和党予備選で、モルモン教信者のミット・ロムニー候補が大差で勝利した。50州の予備選のうちまだ4州が行われただけで、確保目標の代議員数1144人中、ロムニーが確保した代議員は87人にすぎないが、米国の政界では、ロムニーの共和党大統領候補指名を既成事実化するムードだ。ハーバード大学経営学修士(MBA)を卒業し、マサチューセッツ州知事、ソルトレイク冬季五輪委員会委員長、ベイン・アンド・カンパニー最高経営者など、大統領候補の中でこれ以上華やかな経歴はお目にかかれない。

◆ロムニーは08年、大統領選の共和党候補指名争いで、ジョン・マケインに苦杯をなめた。人物、経歴、学歴、どれ一つ劣ることはなかったが、モルモン教徒という宗教の壁を越えることができなかった。モルモン教が「重婚禁止」を公式宣言したにもかかわらず、まだ一部の原理主義者が一夫多妻制を維持していることへの否定的な見方が依然として残っている。同じモルモン教徒だったジョン・ハンツマン元駐中大使は最近、共和党候補指名争いの辞退を宣言し、ロムニーへの支持を表明した。米国人は、初のモルモン教大統領を迎える準備ができているのだろうか。歴史は常に新しく作り変えられるものではあるのだが。

ハ・テウォン論説委員 triplets@donga.com