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大統領府は朴槿恵と李在鎔の贈収賄裁判に影響を与える世論戦をするな

大統領府は朴槿恵と李在鎔の贈収賄裁判に影響を与える世論戦をするな

Posted July. 17, 2017 09:22,   

Updated July. 17, 2017 09:32

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大統領府は14日、朴槿恵(パク・グンへ)政府の民情首席秘書官室で作成されたものと推定されると主張しながら、「三星(サムスン)グループの経営権承継支援策検討」のメモなどを急きょ公開した。計300件の資料を大統領記録館に移管し、そのコピーを朴英洙(パク・ヨンス)特別検事チームに渡したと明らかにした。朴洙賢(パク・スヒョン)大統領府報道官は、「3日、民情秘書官室のスペースを再配置していたところ、とあるキャビネットから発見した」と語った。

大統領府が公開した三星関連メモには、「三星経営権継承局面→機会に活用、経営権継承局面で、三星が何を必要とするかを把握、支援することは支援しながら三星が国家経済により貢献するように誘導することを模索、三星の当面課題の解決には政府も相当な影響力行使が可能」という内容が盛り込まれている。一見このメモは、朴前大統領が禹柄宇(ウ・ビョンウ)元民政首席を通じて三星の経営権継承を支援した重要物的証拠のような印象を与える。

しかし、刑事裁判の証拠という観点から見れば、このメモは欠陥が多い。メモを誰が作成したのか、どのような経緯で作成したのかが分かりにくい。大統領府の発表通り、民情首席室内の誰かが作成したものであっても、大統領の指示を受けて書いたのか、それとも大統領に報告する前に作成者が考えを整理したのかが不明である。作成者の考えを整理したものなら、実際に大統領にまで報告されたのか、報告されたとしても、そのまま実行するように指示が下されたのかも知る由がない。法曹界では、このメモは、収賄罪の証拠になるのは難しいという見方が多い。

ソウル中央地裁刑事合意27部(金鎭東部長判事)は、「李副会長の結審期日を来月2日に予定している」と明らかにしたことがある。予定通りに結審が行われれば、時間が半月しか残っていない。李副会長の1審拘束期限は来月27日で切れる。結審から判決まで通常1~2週間の期間を考慮すると、結審が遅れることになっても、わずか1週間ほど遅れるだけだ。1か月も残っていないこの期間内にメモの作成者や作成経緯を捜査して明らかにするのは容易ではない。大統領府もこのような事実を知らないはずがない。それでも放送で生中継まで要請しながら資料を公開したのは、より多くの否定的世論を形成して、朴前大統領と李在鎔(イ・ジェヨン)三星グループ副会長の贈収賄罪裁判に圧力を加えようとする試みでしか受け止められない。

李副会長と1次拘束令状を棄却した令状専担判事は、深刻な人格冒涜的な身元ばらしと非難に苦しんだ。李副会長の贈賄罪事件を担当した裁判部が受けることになる圧力は、それとは比較にならないほど大きいだろう。しかし、この裁判は、歴史に長らく残る裁判でもある。裁判所は、歴史の中で世論裁判という汚名を言われないように、ひたすら法律と良心に基づいて証拠だけで判断しなければならない。大統領府も国政の最高機関らしく、三権分立阻害論議をまねきかねない世論戦を避けなければならない。