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北朝鮮に氾濫する中国製携帯電話、体制を揺さぶる「トロイの木馬」になるか

北朝鮮に氾濫する中国製携帯電話、体制を揺さぶる「トロイの木馬」になるか

Posted July. 17, 2017 09:22,   

Updated July. 17, 2017 09:35

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今年1~5月、中国の北朝鮮への携帯電話の輸出が昨年同期に比べて何と2倍以上に増加したことが分かった。中国が2月以降、北朝鮮の石炭輸入の中止を公言して北朝鮮に対する圧力を強化するかに見えたが、実際は携帯電話、家電、繊維、食料品など北朝鮮への消費財の輸出が爆発的に増加する傾向を見せている。

東亜(トンア)日報が16日、韓国貿易協会が確保した中国海関総署(税関)の中朝貿易品目細部統計を分析した結果、中国の携帯電話の1~5月の対北輸出額は5000万ドル(約566億ウォン)で、前年同期比104.5%増加した。国連安全保障理事会の対北制裁が本格化した3月以降も昨年同期に比べて111.1%(4月)、58.1%(5月)の増加傾向を維持した。

今年1月、カナダのソーシャルメディア管理会社によると、北朝鮮の携帯電話の加入者数は約377万人。北朝鮮の人口2400万人(推定)の16%が携帯電話を使用していると推定される。統計は今年も北朝鮮の携帯電話の需要が飛躍的に増加していることを示す。

北朝鮮に氾濫する中国製携帯電話は、金正恩(キム・ジョンウン)体制に毒となるか、薬となるか。携帯電話の使用者は金正恩体制に忠誠をつくす党・政府・軍および国営経済機関の指導部という点で体制強化に役立つという見方もある。しかし、これを通じて外部の情報流通が早まるという点では体制維持に脅威要素になる可能性も小さくない。

一方、家電製品、家具、バイク、乗用車など、衣食住が解決された後に需要が生まれる商品の対北輸出も増加している。消費財輸入が大きく増えたことは、北朝鮮経済がある程度回復していることを示しもする。政府当局者は、「北朝鮮が年間1~2%の経済成長率を記録しているという分析も多い」と話す。

統計によれば、4月の米中首脳会談で、中国の習近平国家主席が北朝鮮への圧力を強化すると言った後も、中国の対北輸出が急増した。中国が圧力手段を「フル稼働」していないということだ。

中国は、正常な対北輸出は制裁の対象ではないと反論しているが、2013年2月の北朝鮮の3回目の核実験から1ヵ月経った3月、中国は大豆油、小麦粉、砂糖などの食料品の通関手続きを大幅に強化する方法で対北輸出を遮断した前例がある。当時、制裁開始3日後に平壌(ピョンヤン)でこれら食料品の価格が3倍に跳ね上がるなど、制裁の効果が一気にあらわれた。

一方、米政府が核・ミサイル開発を続ける北朝鮮との違法取引に関わっているとして、遼寧省丹東市の中国の貿易会社に対する捜査に着手したと、読売新聞が15日付で報じた。米司法省はワシントンの連邦地方裁判所から捜査の許可を受け、貿易会社に関わる資金の流れを解明し、違法の事実が明らかにあれば金融制裁を科す方針だ。

米司法省の文書によると、同社は7億ドル(約7910億ウォン)規模の北朝鮮の軍装備や兵器開発計画に絡む物品購入に関与している。同社に対する制裁が実施されることになれば、北朝鮮との不法取引の疑いで米国から制裁を受けた鴻祥グループと丹東銀行に次いで中国企業に対する米国の「セカンダリー・サンクション」(二次的制裁)のケースとなる。



尹完準 zeitung@donga.com