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サウジ国王、実子を皇太子に昇格…親子王位継承

サウジ国王、実子を皇太子に昇格…親子王位継承

Posted June. 22, 2017 08:55,   

Updated June. 22, 2017 08:56

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「腕は内側に曲がる」。サウジアラビアのサルマン国王(82)が21日(現地時間)、皇太子だったおいの職務を解任し、息子の副皇太子を皇太子に昇格させ、王位の親子継承の土台を作った。

国営サウジ通信(SPA)によると、同日開かれた位継承を協議する「忠誠委員会」で、メンバー34人のうち31人の賛成で、サルマン国王の息子のムハンマド・ビン・サルマン国防相(32)が皇太子に昇格した。王位継承第1位だったサルマン国王のおいのムハンマド・ビン ナエフ内務相(58)はすべての公的地位が剥奪された。

今回の措置で、王権に近づいたムハンマド・ビン・サルマン氏はこの間、実力者の中の実力者とされてきた。軍を指揮する国防相であり石油王国サウジの核心である国営石油会社サウジアラムコの会長を兼職してきたためだ。サウジの経済政策を握る王室の経済・開発委員会の議長でもある。このように権力が集中することで、「ミスター・エブリシング(Mr. Everything)」というニックネームまである。

3月にワシントンで米国のトランプ大統領に会ったムハンマド・ビン・サルマン氏は、トランプ大統領の5月のサウジ訪問を取り付け、立場を一層堅固にした。就任後の海外初の訪問先としてサウジを選んだトランプ大統領は、サウジの宿敵であるシーア派宗主国のイランを非難し、サウジが率いるスンニ派連合に好意的な態度を示した。これは最近、サウジがテロ支援を理由にカタールと断交し、イランを牽制して中東で勢力を拡大する基礎になった。

サルマン国王が80代の高齢であることを考えると、ムハンマド・ビン・サルマン氏はサウジの30代国王に即位する可能性がある。原油に依存する経済構造から脱し、事業の多角化を推進するサウジの「ビジョン2030」政策が加速化するものと見える。また、数人の夫人を置く他の王室要人とは違って、夫人が1人である点や外信インタビューに積極的に取り組む態度も、サウジの改革と変化を導く指導者のイメージを形成するのに一役買った。

しかし、ムハンマド・ビン・サルマン氏の「好戦性」を憂慮する声も少なくない。国防相としてイエメン空爆を行ったが、被害は拡大し、シーア派反政府組織「フーシ」との平和交渉も難航している。ムハンマド・ビン・サルマン氏は先月のテレビ演説で、「イランの目標はイスラムを主導し、シーア派思想をまき散らすこと」とし、「イランとの戦争に乗り出すことを誓う」と述べた。アラブ圏の衛星放送アルジャジーラは、「ムハンマド・ビン・サルマン氏は、イランとの対話は徹底して排除する立場」とし、「サウジとイランの分派紛争は一層激しくなるものと見られる」と指摘した。



黃仁贊 hic@donga.com