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トランプ大統領、キューバとの国交正常化を見直し

トランプ大統領、キューバとの国交正常化を見直し

Posted May. 31, 2017 08:43,   

Updated May. 31, 2017 08:44

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米国のオバマ前大統領時代に「雪解け」を迎えた米国とキューバの関係が再び凍りついている。トランプ大統領がキューバとの国交正常化に向けて推進されている政策の中止を検討しているためだ。昨年の大統領選の時から、トランプ氏はキューバが大々的な経済改革と人権改善に乗り出さない場合、「デタントを終わらせる」と主張してきた。

29日、米ニュースサイト「デイリー・コーラー」とロイター通信によると、最近トランプ政権は、オバマ政権時代に緩和されたキューバとの貿易と旅行関連の規定を再び強化することを準備している。トランプ氏は強化された規制を盛り込んだ対キューバ政策を早ければ来月にフロリダ州マイアミで発表する予定だという。一部では、キューバの115周年独立記念日の20日に「トランプ印のキューバ政策」を発表することも検討したが、トランプ氏の海外歴訪と重なったため見送られたと見られている。

トランプ政権は今年2月から、オバマ政権で作られたキューバ関連政策を点検した。米キューバ貿易経済評議会のジョン・カブリック議長は、「トランプ政権は2月から変化(雪解け措置の中断)を発表する準備ができていた」とし、「他の問題が多く、公式に発表ができなかった」と説明した。そして、「(トランプ氏のキューバ政策は)旅行関連の取り締まりを拡大し、キューバ革命軍が管理する機関との取り引きを阻止することに焦点を合わせるだろう」と付け加えた。2015年の国交正常化措置によって回復した大使級の外交関係の断絶までには至らないと見える。

キューバとの関係改善を不満に思う共和党の有力議員の影響も作用した模様だ。特に、キューバ系のマルコ・ルビオ上院議員(フロリダ州)とマリオ・ディアズ・バラート下院議員(フロリダ州)は強硬なキューバ政策の必要性を強調してきた。昨年、共和党の予備選にも参加した「次世代候補」のルビオ氏は3月、ツイッターに「(トランプ氏は)キューバを独裁国家として扱うようだ」とつぶやいた。

トランプ政権がキューバとの和解ムードを壊すことへの批判と憂慮の声も多い。冷戦時代から敵対国だったキューバとの関係改善は安全保障にも役立つが、米国経済にも肯定的な波及効果を与えるためだ。特に、米国の通信業界と航空業界では以前からキューバを潜在力のある未来の成長市場と考えてきた。このため、米国の企業を支援して雇用創出を重視すると明らかにしたトランプ政権がキューバに対する規制を強化することはつじつまが合わないという指摘も多い。実際に、米上院議員54人が最近、キューバ旅行に関する規制をすべて撤廃する法案を発議した。



李世亨 turtle@donga.com