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「分裂と戦う」39歳マクロン氏の「協治」実験

「分裂と戦う」39歳マクロン氏の「協治」実験

Posted May. 09, 2017 08:45,   

Updated May. 09, 2017 08:46

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左右の理念と既成政治の枠を越える「選挙革命」を成し遂げたフランスで、まだ一度も足を踏み入れたことのない「新しい政治」実験が始まった。

 

フランス史上初めて1人の国会議員もいないのに大統領となった中道新党「アン・マルシュ(進め)」のマクロン氏が成功するかどうかは効率的な「協治」にかかっているという見方が支配的だ。

マクロン氏は7日(現地時間)、フランス大統領選の決選投票で66.1%を獲得して、33.9%を得た右翼・国民戦線(FN)のルペン氏を退けた直後、「皆さん、多数が怒りと憂い、疑いを表明することを承知している」とし、「しかし、私のすべてのエネルギーを投じて深まる分裂に戦う」と力説した。

 

マクロン氏は、大統領選で「アン・マルシュ」という新しい政治結社体を結成し、腐敗した共和党、無能な社会党に対抗して新しい政治の風を起こした。「左右を越える新しい政治実験を見せる」という旗を揚げ、25万人の自発的な会員でスタートし、1年後に快挙を収めた。マクロン氏は「アン・マルシュ」を「政党」ではなく「政治運動」と呼ぶ。

しかし、来月予定された総選挙で新生政党の「アン・マルシュ」が577議席の過半数である289議席を獲得することは容易ではないというのが大方の見方だ。この場合、連合政府か多数党と共に国政を運営する「コアビタシヨン(cohabitation・保革共存)」政府の発足が避けられない。1ヵ月間、授権能力を示せない場合、左右理念を標榜する既成政党と手を握らなければならない現実に直面する。この場合、左派の社会党政権で右派指向の法を主導した実用的なマクロン氏の「中道」政策は、下手をすれば妥協過程で再び理念中心の政策に回帰する可能性がある。

15日にはエリゼ宮に入り、首相と内閣名簿を発表する予定のマクロン氏は、国民に安定した国政運営の能力を示し、来月の総選挙で一票でも多く得るためにも左右陣営の協力を引き出す人物を任命しなければならない。総選挙で過半数の確保に失敗し、保革共存政府を構成する場合、15日に発表される首相の任期は1ヵ月で終わる。

BBCは、「マクロン氏が効果的な国政運営のために他党と連合する必要性を感じるだろう」と見通した。フランス版「協治」の険しい旅程が始まったのだ。



董正民 ditto@donga.com